中欧班列、広州市とワルシャワ間の定時運行を開始

(中国、ポーランド)

広州発

2024年07月03日

中国国有企業の広東省広物控股集団傘下の企業で、中欧班列の運行・管理を担っている広物国際物流投資発展(以下、広物国際物流)は6月19日、広州市とポーランドのワルシャワを結ぶ中欧班列の新路線が同日運行を開始したと発表した。同路線は、広州市白雲区の広州国際港(鉄道コンテナターミナル兼物流基地)を出発後、内モンゴル自治区エレンホト口岸(注)から出境し、モンゴル、ロシア、ベラルーシを経由し、ワルシャワまでを約16日間で結ぶ(「新華社」6月19日)。

同路線は広東・香港・マカオグレーターベイエリア(以下、粤港澳大湾区)で、初めて定時運行する中欧班列となる。非定時運行の中欧班列に比べ、定時運行する中欧班列は出発駅から到着駅に至るまでの全行程で列車番号、ルート、スケジュールや運行時間が固定されており、優先的な列車編成、優先乗車、優先出発などの対象となる。出入境口岸で貨物の積み替え、積み下ろしなどにかかる時間の短縮につながり、輸送効率の向上、国際産業チェーンとサプライチェーンの円滑化につながることが期待されている。

運行間隔について、同線路は毎週水曜日に広州国際港を出発する。総移動距離は約1万1,200キロメートルで、片道の輸送時間は約16日間、従来に比べ約30%の輸送時間の短縮を実現した。粤港澳大湾区企業の対外貿易のために、より安定した国際物流サービスの提供が可能となるという。

広州税関傘下である広州駅税関の陳春書副関長は「試算によると、広州市からポーランドを例にした場合、定時運行する中欧班列は従来の海上輸送に比べ、輸送時間を半分以上に短縮することが可能で、コンテナ1個当たりの輸送コストを平均約20%削減できる」と述べた(「中国新聞網」6月19日)。

(注)口岸は、税関が2国間の国境などに設置した検問所。エレンホト口岸は内モンゴル自治区のエレンホト市にあり、同市はモンゴルとの国境に位置する中国側の都市で、鉄道の国際物流拠点の1つ。

(梁梓園)

(中国、ポーランド)

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