スタートアップ関連イベントのSITE2024が開幕、日系8社が技術を紹介
(タイ)
バンコク発
2024年07月24日
タイ国内最大級のスタートアップ関連イベント「スタートアップ・イノベーション・タイランド・エクスポ(SITE)2024」が7月22日、バンコク中心部のクイーン・シリキット国際会議場で開幕した。7月28日まで開催される。初日には、日本のスタートアップ8社によるピッチイベントが実施された。概要は次のとおり。
AIメディカルサービスは2017年に設立された新興企業。早期発見が難しい消化管がんを、高い確率で特定できる内視鏡画像診断用ソフトウエアを披露した。すでに医薬品医療機器総合機構(PMDA)やシンガポール保健科学庁(HAS)から認証を取得し、タイにおいてもマヒドン大学と協力を深める。
大型3Dプリンターの設計・開発を行うエクストラボールドは、廃プラスチックや植物由来の有機物材料を用いた3Dプリント技術を紹介した。アップサイクルでの活用や、二酸化炭素(CO2)を混入して脱炭素化にも応用が可能だ。同社は2023年11月にバンコクで開催された工作機械見本市「METALEX」でも高い評価を得ている(METALEX2023が開幕、カード)。2024年8月にサイアム高島屋()に展示スペースを設ける予定だ。
福岡市が支援するアークエルテクノロジーズは、電気自動車(EV)スマート充電・管理システム「eFleet」を提供し、「充電時間が分からない」「完璧に充電されない」といった課題を解決する。また、ワンエーアイも福岡発のスタートアップで、人工知能(AI)を活用したデジタル・マーケティングツール「ChiChat」を開発する。タイ人担当者もおり、現地対応が可能である点を強調した。
ジカンテクノは、大阪商工会議所が支援する新興企業で、もみ殻やサトウキビの搾りかすといった廃棄物から高機能カーボンを製造する技術を有する。これまで鉱物資源から製造していた素材を、バイオマス由来に変えることで持続可能性を高める一方、価格は従来品より1割ほどしか高くならないという。また、大阪府高槻市に本社を構えるリーンオンミーは、障がいのある家族のいる志村俊介代表取締役の実体験から、障がい者支援者向けのオンライン研修サービスを開発する。すでに日本国内に約8万人のユーザーがおり、大阪万博のスタッフ研修にも導入されている。志村氏は「タイ社会にも貢献できる」と意気込みを語った。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が支援するアグロルーデンスは、コメや麹(こうじ)から菌類由来の代替たんぱく質「マイコプロテイン」を生産する技術を持つ。たんぱく質への需要が増大するなか、代替肉やバイオリファイナリーに活用できる。超電導センサテクノロジー(SUSTEC)もNEDOが支援している。高感度の超電導磁気センサを用いた探査技術を提供している。コンパクトな機器にもかかわらず、地下3,000メートルまでのガスや地熱の探査などを実施し、視覚化することが可能だ。
その他、スタートアップの海外展開や、海外企業との事業共創を支援する福岡市、大阪商工会議所、NEDOとイベントブラック ジャック 賭けは、それぞれの支援メニューを紹介した。
(北見創)
(タイ)
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