中国電池メーカー、ベトナムとマレーシアに相次いで投資

(中国、マレーシア、ベトナム)

上海発

2024年07月23日

中国大手電池メーカーの欣旺達電子(サンオーダ)は7月15日、子会社の香港欣威電子を通じて、ベトナムに民生機器向けリチウムイオン電池製造工場を新設すると発表した。稼働時期や所在地などは明らかにされていないが、土地購入や工場建設、設備導入などには最大20億元(約440億円、1元=約22円)を投じるという。同社はベトナムに進出する背景と目的について、(1)ベトナムには近年、国外から民生用電気機器メーカーの生産移転が進み、関連サプライチェーンも確立されつつある、(2)グローバル展開を加速させ、中国外での供給力の向上につなげる、(3)経済環境の変化や産業政策の調整、国際貿易体制の影響などに柔軟に対応し、国外の顧客満足度を高めることなどを挙げた。

サンオーダは広東省深セン市で1997年に設立され、2011年に深セン証券取引所上場を果たした。中国のほか、インドやベトナム、ハンガリー、モロッコなどに生産拠点を置き、米国やフランス、ドイツ、イスラエル、韓国、日本などに販売拠点を設けている。

また、深セン証券取引所上場の恵州億緯鋰能(EVEエナジー)は7月5日、マレーシアのケダ州に蓄電池と民生機器用電池の生産拠点を設けると発表した。工期は最長2年6カ月で、投資総額は最大32億7,707万元に達するという。さらに、上海証券取引所上場の珠海冠宇電池は7月9日、マレーシアの現地子会社がノートパソコンやタブレット、スマートフォンなどの民生機器向け電池工場を新たに建設すると発表した。工期は2~3年で、最大20億元を投じる見通しだ。

車載電池業界団体の中国汽車動力電池産業創新聯盟(CABIA)が発表した2024年1~6月の中国車載電池の出荷量(搭載ベース)ランキングでは、EVEエナジーが4位(シェア4.2%)、サンオーダが7位(同3.0%)にランクインされたが、首位の寧徳時代新能源科技(CATL、同46.4%)、2位のBYD(同25.1%)との差は大きく、苦戦を強いられている。

(劉元森)

(中国、マレーシア、ベトナム)

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