保健医療セクター変革プログラム、年次報告書を発表
(サウジアラビア)
リヤド発
2024年07月31日
サウジアラビアの保健医療セクター変革プログラム(注)から7月28日に、2023年の保健医療セクターに関する年次報告書が発表された。
サウジアラビアの平均寿命は、国家改革戦略「ビジョン2030」の基準値の2016年の74歳から2023年は77.6歳となった。政府がウオーキングの普及や減塩、カロリー開示、水素添加油脂の使用中止などの政策に加え、保健サービスの改善や健康リスクに対する予防の促進にも努めた結果としている。また、2023年には国立保健研究所の設立を認可した。受益者の健康カード ゲーム ブラック ジャックを医療サービス提供者に提供・共有し、医療従事者がより適切な医療行為が可能となるよう「Nphies」プラットフォームの開設など、医療サービスの充実化を推進している。
国営通信(7月28日付)は、入院中の医療サービスの経験に対する受益者の満足度の割合が2019年の82.41%から2023年は87.45%に、人口10万人当たりの有資格看護職員数が2019年の581.6人から同733人に、基本的な医療サービスがカバーする居住地域の割合が96.41%にそれぞれ達したと報じた。
サウジアラビアの主要紙「サウジ・ガゼット」(2024年2月1日付)によると、「予防は治療に勝る」の原則の下、次のとおり予防対策が早期発見につながったと報告している。
- 500万人以上が肥満の診査スクリーニングを受け、うち100万件以上を早期発見
- 100万人以上が糖尿病の診査スクリーニングを受け、うち約1万1,000件を早期発見
- 約16万人の女性が早期乳がん診査スクリーニングを受け、うち654件を早期発見
(注)保健医療セクター変革プログラムは「サウジ・ビジョン2030」実現プログラムの1つ。サウジアラビアの保健医療セクターを個人と社会の健康に基づき、包括的、効果的、統合的な保健システムに変革・再構築をし、保健セクターの地位強化と構成要素の活性化に貢献することを目的とする。
(林憲忠)
(サウジアラビア)
ビジネス短信 60ef6f53507da6d8