インド自動車販売は2024年度第1四半期も伸長、二輪車が2割増

(インド)

ベンガルール発

2024年07月17日

インド自動車工業会(SIAM)は7月12日、2024年度第1四半期(4~6月)と6月の自動車統計(出荷ベース)を発表した。第1四半期の乗用車〔多目的車(UV)とバンを含む〕の国内販売台数は前年同期比3.0%増の102万6,006台で、同期間では初めて100万台を超えた(添付資料表1参照)。商用車(22万4,209台)も合わせると、同3.1%増の125万215台だった。

SIAMのラジェシュ・メノン事務局長は「乗用車販売と三輪車の販売台数は、第1四半期として過去最高を記録した。二輪車は前年同期比20.4%増、商用車も同3.5%増の成長を見せた」と述べた。ビノド・アガルワル会長は「乗用車と商用車は緩やかな成長だったが、二輪車と三輪車は2桁台の非常に高い成長を記録した。二輪車では、エントリー用車種に回復の兆しが見られ、特にスクーターが伸びを見せた。モンスーン期や祝祭期の見通しは明るく、年度後半もさらに成長するだろう」とコメントした。

6月単月の乗用車販売台数は前年同月比4.9%増の29万4,233台で、5カ月連続の1桁成長だった(添付資料表1参照)。引き続き一般乗用車の落ち込みをUVとバンの好調さが補っている。なお、表1の数字には含まれていないが、地場のタタ・モーターズの乗用車販売台数を含めると、33万7,757台に上る(注)。タタを除く自動車販売全体(乗用車、二輪車、三輪車)では、前年同月比18.2%増の196万7,959台で、2カ月ぶりの2桁成長となった。

メーカー別乗用車販売では、第1四半期と6月単月の順位は同じ結果だった。単月で見ると、首位のマルチ・スズキが13万7,160台で前年同月比3.1%増、次いで現代が5万103台で、同0.2%増とほぼ横ばいだった(添付資料表2参照)。続く地場のマヒンドラ&マヒンドラは同22.8%増(4万22台)、トヨタ・キルロスカは同41.3%増(2万5,737台)と勢いを見せた。なお、統計に含まれていないタタ・モーターズは、電気自動車(EV)を含、同7.9%減の4万3,524台で、前月に続き3位相当につけた(同社発表)。

車種別にみると、首位はスズキのコンパクトモデル(「スイフト」「ワゴンR」など計6万4,049台)で、前年同月比0.7%減だった。2位以下を占めるUVの好調は続いており、マルチ・スズキのUV(「グランドビターラ」など計2万5,581台)が同35.3%増と伸長した。3位は同社コンパクトUV(「ブレッツァ」など計2万3,341台)で、同7.9%増と好調が続く。4位はマヒンドラ&マヒンドラのスポーツ用多目的車(SUV)の「ボレロ、Kuv100」など計2万1,328台で、同15.5%増だった。

二輪車販売は、第1四半期が前年同期比20.4%増の498万5,631台、6月単体が前年同月比21.3%増の161万4,154台だった(添付資料表1、表3参照)。特に6月はスクーターが同40.1%増と伸びを見せた。メーカー別にみると、1位はヒーローで49万1,416台、2位のホンダが48万2,597台と猛追している。

(注)タタ・モーターズの販売台数は単月の乗用車販売台数のみ公開。自動車販売台数全体やセグメント別、メーカー別、車種別、二輪車、三輪車統計には含まれない。ただし、第1四半期の販売台数はSIAMに報告しており、合計にはタタ・モーターズが含まれている。

(岩井澪佳)

(インド)

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