米国土安全保障省、中国からの不法移民をチャーター便で送還

米国の国土安全保障省（DHS）は7月2日、米移民税関捜査局（ICE）を通じて、米国に不法滞在している中国人をチャーター便で中国へ送還したと発表した。チャーター便での送還は2018年以来6年ぶり。米主要メディアによると、DHSは今回、116人の中国人を送還した。DHSは発表で、この送還は中国の移民局と緊密に連携して実施したとし、今後も引き続き中国公安部および国家移民管理局と協力して送還を実施するとしている。

DHSのアレハンドロ・マヨルカス長官は発表で、「われわれは引き続き移民法を執行し、法的根拠を持たずに米国にとどまる移民を送還していく」と述べ、また「人々は密入国業者のうそを信じてはならない」とも述べた。DHSは、米国と中国は共に、法律執行の強化を拡大することにより、非定期的に米国に流入する移民の削減・抑制と、不法な密入国の阻止に取り組んでいるとした。また、今回の送還は、米中が相互で関心を持っている課題に対し、マヨルカス長官が中国にも積極的に取り組むよう働きかけてきた結果だと発表している。

DHSはまた、エクアドルが7月1日から、同国への入国に際し、中国のパスポート保持者にビザ取得を義務付けると発表したことを歓迎するとした。ここ数年、中国からエクアドルに入国後、中南米諸国を経由し、メキシコと米国の国境を越えて不法入国するケースが複数みられていた（ボイス・オブ・アメリカ6月25日）。

移民問題は11月の大統領選挙でも争点の1つとなっている。7月8日に発表された共和党の政策綱領では、「速やかに達成する 20 の約束」の最初に、「国境を封鎖し、移民の侵入を阻止する」と記載されている（関連無料 ゲーム ブラック）。

（吉田奈津絵）