ドイツなどの水素輸入について価格差支援を行うH2グローバルが初の入札結果を発表

(ドイツ)

ベルリン発

2024年07月17日

ドイツなどへのグリーン水素(注、派生物を含む)輸入において供給側と需要側の水素の価格差に対する支援(値差支援)を行うH2グローバルは7月11日、初の入札結果を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(プレスリリースPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))(スライド資料PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。

H2グローバルの枠組みでは、H2グローバル財団の子会社であるHintcoが、入札によって10年契約で水素を購入した上で、この水素を入札によって1年ごとに販売する、ダブルオークション制を採用する(連邦政府、ブラック ジャック)。

H2グローバルは、連邦・経済・気候保護省から9億ユーロの予算を受け、グリーン水素派生製品としてのアンモニア、メタノール、持続可能な航空燃料(SAF)の購入について2022年12月から入札手続きを進めていた(水素の調達・輸入を進める「H2グローバル」プロブラック)。今回の発表はこのうちのアンモニアに関するもので、 Fertiglobeが落札した。落札案件の概要は次のとおり。

〇購入期間:2027〜2033年(入札時に示された期間は10年間)

〇購入量:25万9,000トン以上(最大39万7,500トン)

〇購入価格:1,000ユーロ/トン

【内訳】

  • アンモニア製造費用:811ユーロ/トン(グリーン水素4.50ユーロ/キログラム程度に相当)
  • 輸送費用:約90ユーロ/トン
  • 貯蔵などの費用:約70ユーロ/トン
  • 関税:約30ユーロ/トン

〇製造能力など:電解槽100メガワット(MW)(アルカリ型)。エネルギー源は、陸上風力203MW、太陽光70MW

〇製造ブラック ジャック 確率、受け入れブラック ジャック 確率:エジプト(スエズ運河経済特区)で製造後、パイプラインを通じてアイン・エル・ソフナ港に輸送後、海上輸送によってロッテルダム港へ輸送

入札に参加した案件の平均製造能力は、電解槽145MW(全てアルカリ型)、エネルギー源の平均再生可能エネルギー(再エネ)容量は295MW、供給量は21万〜47万5,000トン、平均供給価格は1,048ユーロ/トンだった。

H2グローバルによる支援の規模拡大、ブラック ジャック 確率的な広がり

経済・気候保護省は、既述の9億ユーロの予算に加えて、2024年には35億3,000万ユーロの追加予算を投じている。H2グローバルはこの追加予算を活用して水素購入に係る第2回入札の準備を進めており、その入札条件について意見公募が行われている(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(経済・気候保護省が提示している第2回入札の入札条件案の概要)

  • 予算額:35億3,000万ユーロ(ドイツ政府)および3億ユーロ(オランダ政府)
  • 購入期間:2026~2036年
  • 購入単位:3億~11億ユーロ
  • 対象製品枠:グリーン水素、グリーン(再エネ由来の)アンモニア、グリーンメタノール、グリーンメタン。このほか対象製品を特定しない枠も設ける。
  • 輸出ブラック ジャック 確率枠:世界、欧州、北米、アジア、アフリカ、南米・オーストラリア/オセアニア
  • 輸入ブラック ジャック 確率:EU内全域

また、H2グローバルはドイツ向けの支援にとどまらず、支援対象ブラック ジャック 確率も拡大しつつある。欧州委員会は2023年5月、EU域内での水素供給に対して支援を行う欧州水素銀行について、EU域外からの輸入でH2グローバルと連携することを発表。オランダとドイツは2023年11月、3億ユーロずつ拠出し、共同でH2グローバルを活用することに合意したほか、カナダとドイツは2024年3月、共同でH2グローバルを活用して、カナダからドイツへの水素輸出に対して支援を行うことに合意している。

(注)再エネ由来の電力を利用して、水を電気分解して生成される水素。製造過程で二酸化炭素(CO2)を排出しない。

(日原正視)

(ドイツ)

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