ロンドン・テック・ウィークに合わせ、フェムテックイベント開催

(英国)

ロンドン発

2024年07月02日

英国で6月10日から14日にかけて「ロンドン・テック・ウィーク(London Tech Week)」が開催され、150カ国超から4万5,000人を超える参加者が集まった。

同期間中には、各業界のテーマに特化したスタートアップカンファレンスも多数開催されおり、欧州初のフェムテックに焦点を当てたアクセラレーターであるフェムテックラボは、2024年で2回目となる「DECODING THE FUTURE OF WOMEN」を主催した。本イベントは、ジェンダー平等と多様性の推進を目指し、女性の健康、テクノロジー、イノベーション、科学の進歩に関するトピックを取り上げている。

6月10、11日の2日間にわたり、約90人のゲストスピーカーから、22の演題にまたがる基調講演とパネルディスカッションが行われ、女性特有の性周期に伴う社会活動の課題や障壁、女性のリーダーシップの育成やキャリアパス支援に関する具体的な施策について専門家たちから意見が交わされた。フェムテックに焦点を当てた調査・コンサルティング企業ウルトラ・バイオレット・エージェンシーのアンナ・ブッターワース氏の基調講演では、「2035年におけるフェムテックは、体外受精、卵子凍結、遺伝子編集胚、人工子宮の領域が増えるだろう」との言及がなされた。

2日目には、投資家によるパネルディスカッションも行われ、次なるユニコーン企業が生まれうる領域として男性不妊治療が挙げられた。その後、9社のスタートアップによるピッチイベントが行われた。登壇したスタートアップのバーティリティは、男性の不妊治療に取り組むスタートアップであり、遺伝性疾患の原因となる突然変異を検出する革新的な精子スクリーニング技術を提供している。登壇企業の一覧は次のとおり(発表順)。

  • フェイズ(Phase,英国)
  • マイ・ブリス(My Bliss,英国)
  • マイ・フェムテック(My Femtech,米国)
  • アイビュー・ヘルス(iView Health,英国)
  • ポカ(Poka,ガーナ)
  • バーティリティ(Vertility,米国)
  • アテナ(Athana,フランス/英国)
  • ドーターズ・オブ・マーズ(Daughters of Mars,英国)
  • ゴッデス(Goddess,トルコ)

コンサルタントのビューハーストによると、過去10年間で、アーリーステージで高成長を遂げた英国のフェムテック企業は、2014年には1社しかいなかったが、2023年には14社に増加している。

(榊原達也)

(英国)

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