テスラのマスクCEO、トランプ前大統領支持を表明
(米国)
ニューヨーク発
2024年07月16日
米国の電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は7月13日、ソーシャルメディアプラットフォームのX(旧Twitter)で、2024年11月の大統領選挙に向け、ドナルド・トランプ前大統領を支持すると発表した。マスク氏による支持は、同日に発生したトランプ氏を標的とした銃撃事件直後に発表された(関連ブラック ジャック ブラック)。マスク氏は「私はトランプ氏を全面的に支持し、早期回復を願っている」と述べ、トランプ氏が耳を撃たれた後、立ち上がって拳を突き上げているビデオを投稿。「(トランプ氏は)セオドア・ルーズベルト元大統領以降最も強靭(きょうじん)な候補者だ」と称賛した(注1)。
マスク氏は民主党の支持者として知られてきたが、最近ではジョー・バイデン大統領の再選に反対する意向を示しており、トランプ氏との距離を縮めている。2024年3月にはXで「数年前までは100%民主党に投票していた」が、「今は共和党の波が必要だと思う。さもないと米国は終わりだ」と投稿していた。銃撃事件以前にも、トランプ氏当選に向けて活動する団体に献金したことが報じられている(ブルームバーグ7月12日)。
トランプ氏はバイデン政権が主導する自動車の電動化政策に対して抵抗を示しており、7月8日に承認された共和党の2024年の政策綱領には、「EVの義務化を中止し、高コストで負担の大きい規制を削減する」ことが明記されている(関連無料 ゲーム ブラック)。今回のマスク氏による支持表明がEV業界に与える影響は明らかではないが、「ウォールストリート・ジャーナル」紙のアナリストらは、トランプ氏のより厳しい中国車締め出し(注2)により、中国のライバル車が米市場に参入できないことはテスラにとってプラスになる、とみている(フォーブス7月13日)。
(注1)1912年の大統領選挙遊説中に銃撃を受けて胸部を負傷したものの、選挙戦を継続した。
(注2)トランプ氏は、2024年3月にメキシコから輸入される中国メーカー製の自動車に対して100%の輸入関税を課すと発言。
(大原典子)
(米国)
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