業務用食品卸売店「メトロ」、店舗数200店を超える

(インド)

ムンバイ発

2024年07月31日

インド大手財閥リライアンス・インダストリーズ傘下の業務用卸売スーパー「メトロ」の店舗数が、20246月末時点で180都市以上200カ所を超えた。リライアンスが719日に開催した202446月期決算の投資家向け説明会で明らかにした。同社が202212月にドイツの卸売り大手メトロからインド事業を買収した際の店舗数は21都市31店で、買収後1年半あまりで規模が急拡大した。

メトロは主に、零細商店(キラナ、注)や小規模事業者を顧客とした企業間取引(BtoB)事業を展開している。商品は専用アプリを通じて取り引きできるほか、キャッシュ&キャリー(現金払いで商品を購入し、顧客自身で持ち帰る)という従来の方式で購入することもできる。

リライアンスは同決算説明会において、小売り部門について店舗やプラットフォーム強化、商品デザイン、調達能力へのさらなる投資を継続する意向を示している。

写真 ブラック ジャック ルール ディーラー西部ムンバイの家族経営のキラナ(ジェトロ撮影)

インド西部ムンバイの家族経営のキラナ(ジェトロ撮影)

(注)一般的には「パパママショップ」と呼ばれ、家族経営の零細店舗を指す。小さな店舗内に、スナック菓子や清涼飲料などの食料品のほか、せっけんやシャンプーなどの日用品、たばこや文房具などの商品が陳列され、市民の買い物の場として広く定着している。全国に1,400万店以上ある小売店舗の9割以上がキラナで、小売売上高では約8割を占める。メトロのほか、米国系ウォルマートやアマゾン、テクノロジーを活用した地場スタートアップ企業なども、キラナを主な顧客とした事業を展開している。

(篠田正大)

(インド)

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