深セン市と中山市を結ぶ「深中通道」が6月30日に開通
(中国)
広州発
2024年07月08日
深セン市と中山市を結ぶ通路「深中通道」が6月30日に開通した。広東省交通運輸庁によると、深中通道は、広東・香港・マカオグレーターベイエリア(以下、粤港澳大湾区)における珠江河口の東西の両岸(注1)を結ぶ戦略的通路で、国家の交通網の中で重要な地位を持つという。プロジェクトは2017年に着工し、7年で完工した。
深中通道は全長約24キロで、高架橋(長さ16.7キロ)と海底トンネル(6.8キロ)で構成されている。世界初の「橋、島、トンネル、水中相互接続」を一体化させ、海を横断する通路を建設したプロジェクトだとされる。
深中通道は、珠江河口の両岸の都市間の移動時間を大幅に短縮するという。7月1日付「中国交通新聞網」によると、中山市~深セン市間の移動時間は従来の2時間から30分以内に、珠海市や江門市から深セン市間(注2)は従来の2時間以上から1時間以内に、広州市南沙区~深セン市間(注3)はわずか20分に短縮される見込みだ。これにより、広州市、深セン市、珠江河口西岸の3大都市圏の8,000万の人口に対して「1時間生活圏」(注4)を実現するという(「中国交通新聞網」7月1日)。
カシオ電子科技(中山)の習海峰副総経理は「深中通道の開通後は、中山市から深セン市まで迂回ルートを走行する必要がなくなる」と述べた。加えて、「われわれは商品を事前に深セン市に保管する必要がなくなり、中山保税区から直接出荷できる。これは、サプライチェーンコストの削減に役立ち、サプライヤーにとって非常に便利だ」とコメントした(「GD Today」6月27日)。
(注1)東岸は、一般的に深セン市、東莞市、恵州市を指す。西岸は、一般的に珠海市、仏山市、韶関市、中山市、江門市、陽江市、肇慶市、雲浮市を指す。
(注2)深中通道の開通前、中山市と珠海市から深セン市に行くためには、ダイレクトな通路がなかったため、迂回路線で広州市南沙区と東莞市を経由する必要があった。
(注3)広州市南沙区と中山市を結ぶ高速道路の南中高速万頃沙支線は2024年末までに開通する予定で、深中通路と連結されるため、広州市南沙区から中山市まで15分、深セン市まで20分で到着できる見込み。
(注4)「1時間生活圏」は、1時間で通学や通勤、それに通院や買い物などで移動する範囲。
(汪涵芷)
(中国)
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