大統領選に向け、選挙キャンペーン開始
(ベネズエラ)
ボゴタ発
2024年07月09日
ベネズエラで7月28日に実施される大統領選挙に向けた選挙キャンペーンが7月4日から開始された。10人の候補者は25日まで同キャンペーンを継続する。
選挙戦は、再選を狙うニコラス・マドゥロ現大統領とエドムンド・ゴンサレス(統一民主テーブル/MUD)候補の事実上の一騎打ちとなる。2023年10月に行われた予備選挙で圧倒的多数で選出されたマリア・コリーナ・マチャド氏(ベンテ・ベネズエラ党)は公職就任資格を停止されたままで、同氏が指名した代替候補も立候補登録ページ上での原因不明のエラーにより、登録が行われなかった(関連ブラック ジャック アプリ)。このことから野党側は、既に登録を済ませていた元外交官のゴンサレス候補をマチャド氏の後継として選挙戦に挑むこととした。ゴンサレス氏は既にマチャド氏とコンビを組み、6月以降はプレキャンペーンのため、地方都市を何度も訪れている。
キャンペーン初日のカラカス市内では両陣営ともデモ行進を行ったが、その後も大きな衝突や混乱は起きていない。与党側は今後の集会などの日程を明らかにしていないが、野党側と同じ日程・場所でデモを行うとみられている。
公正な選挙の実施の是非について注目される中、国連は6月25日、選挙管理委員会(CNE)からの招請に応じ、4人の監視員を派遣すると発表した。CNEはカーターセンターや、ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体(CELAC)、カリブ共同体(CARICOM)にも招請状を出している。EUもベネズエラの招請を受け、エルビス・アモロソCNE総裁への制裁解除を決定したが、ベネズエラ国会とCNEは制裁対象者全員への解除ではないことに反発し、招請を取り消した。
なお、公正な選挙が行われる場合、マドゥロ大統領が再選される可能性は低いとの見方が根強い。このため、野党側は、何らかの方法で立候補の取り消しや投票後の当選無効化、選挙そのものの延期などが行われることを懸念している。例えば、6月にCNEが候補者に対し、選挙結果を尊重することを約束する合意書への署名を求めたのに対し、ゴンサレス候補は「合意はベネズエラの法律で定められたものではない」として署名を拒否している。また、野党連合MUDが単一政党でないため、MUDとしての立候補は無効だとする訴えが最高裁に提出されており、こういった動きが立候補の取り消しなどにつながると懸念されている。投票日まで、さらに投票終了後も、疑心暗鬼が拭えない状況が続きそうだ。
(豊田哲也、マガリ・ヨネクラ)
(ベネズエラ)
ビジネス短信 17bd6a8b8d570e18