2023/2024年度の自動車販売は不振続くも、足元では回復の兆し

(パキスタン)

カラチ発

2024年07月30日

パキスタン自動車工業会(PAMA)は7月10日、2023/2024年度(2023年7月~2024年6月)の乗用車販売台数(多目的自動車、バンを含む)が10万3,827台で、前年度比18.2%の減少になったと発表した(添付資料表参照)。パキスタンの自動車市場は外貨不足や物価高、高金利による景気低迷の影響を強く受け、依然厳しい状況が続く。他方、2024年6月の乗用車販売台数は1万3,284台で前月比21.3%増となり、回復の兆しも見え始めている。

メーカー別では、パックスズキモーター(PSMC)は5万4,428台(前年度比16.7%減)、インダス・モーター・カンパニー(IMC、トヨタの合弁会社)が2万770台(同33.2%減)、ホンダアトラスカーズ(HACPL)が1万3,214台(同21.7%減)、ヒュンダイ・ニシャット・モーター(HNMPL、双日と現地企業の合弁会社)が7,564台(同21.9%減)だった。

そのような中で健闘するのが、IMCのカローラクロスだ。同社によれば、2023年12月に同車種のハイブリッド車(HEV)を販売開始(関連無料 ゲーム ブラック ジャック)後、ガソリン車とHEV合計で毎月約600~800台の販売を記録しており、そのほとんどをHEVが占める。電気料金が高く、充電インフラ整備も進まないパキスタンでは、電気自動車(EV)普及には時間がかかるとみられる。しかし2024年6月には、国内製HEVの売上税率を25%から8.5%へ低減するインセンティブが継続されると発表され、今後、HEVのさらなる広がりが期待される。

ある日系メーカー幹部は7月24日、ジェトロの取材に対して「外貨不足に端を発した輸入規制や現地通貨安により、2023/2024年度は市場が大混乱に見舞われた状態で始まった。依然として物価上昇や高金利などの阻害要因はあるものの、政治的な不安定要因の後退、為替相場の安定(2024年7月22日記事参照)もあり、ゆっくりではあるが市場は回復方向に向かっている」と語った。

(山口和紀)

(パキスタン)

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