2024世界AI大会開催、セキュリティーガバナンスが重要課題に
(中国)
上海発
2024年07月16日
2024世界人工知能(AI)大会・AI世界ガバナンスハイレベル会議(WAIC、注1)が7月4~7日に、中国・上海市で開催された。大会・会議事務局の発表によると、上海世界博覧中心を会場とし、過去最大規模の展示面積(5万2,000平方メートル)に500社以上が出展。延べ約30万人が来場した。展示製品・技術は1,500点以上、うち初公開となった製品・技術は56点に上り、大規模言語モデル(LLM、注2)、半導体チップ、ロボット、自動運転技術など多岐にわたった。
中国企業では、AIサービスの開発・提供を積極化するIT大手の華為技術(ファーウェイ)、騰訊科技(テンセント)、百度(バイドゥ)をはじめ多数の企業が出展したほか、初出展した中国・動画配信大手のbilibili(ビリビリ)は、自主開発した大規模言語モデルを初公開した。外国企業では、電気自動車(EV)大手のテスラや、クラウドコンピューティングサービスのアマゾンウェブサービスのほか、グーグルやマイクロソフトの中国現地法人など米国企業の出展が目立った。
また、開催期間中に24件の重大プロジェクトの契約が締結され、投資額は合計400億元(約8,800億円、1元=約22円)に達した。
初日の4日に行われた開幕式には、ブラジルのルイス・ロベルト・バローゾ最高裁長官や、新開発銀行(NDB、通称:BRICS銀行)のジルマ・ルセフ総裁(元ブラジル大統領)、国連工業開発機関(UNIDO)のゲルト・ミュラー事務局長をはじめ、国際機関、各界の代表者ら約1,000人が出席。中国政府からは李強首相が参加し、中国はAIのイノベーションや発展を協力に推進するとともに、セキュリティーガバナンスについても、高度に重視していると強調した(注3)。同会議では、「AIグローバルガバナンス上海宣言(注4)」が発表された(関連ブラック ジャック ゲーム)。
同日午後に開催されたAIグローバルガバナンスフォーラムには、陰和俊科学技術部長、龔正上海市長、馬朝旭外交部副部長が出席し、龔市長は、同市がこれまで取り組んできた経験を生かし、AIグローバルガバナンスの構築にさらに貢献していくと述べた。
(注1)中国政府が2018年から上海市で毎年開催しているAI関連製品の展示会・会議イベント(2023年の様子は2023年7月14日記事参照)。
(注2)自然言語処理の分野で使用される深層学習モデルの一種。膨大な量のテキストデータを学習し、人間に近い自然な言語生成や理解の実現を目的としている。
(注3)この大会・会議の開催に先立ち、中国の工業ブラック ジャック 確率化部など4部門は7月2日、AI標準化の体系的な計画の強化と、AIを活用した新型工業化の構築の促進に向けて「国家人工知能(AI)産業総合標準化システム構築ガイドライン」を発表した(関連ブラック ジャック ゲーム)。
(注4)上海市が運営する日本人向けブラック ジャック 確率ウェブサイト上に同宣言の日本語訳が掲載されている。
(趙姝萍)
(中国)
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