イスラエル最高裁、超正統派ユダヤ教徒にも徴兵命じる

(イスラエル)

テルアビブ発

2024年06月27日

イスラエル最高裁判所は6月25日、超正統派のユダヤ教徒の学生を徴兵するよう政府に命じ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きまする判決を言い渡した。

イスラエル国防軍(IDF)ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、ユダヤ人とドルーズ族とチェルケス人の18歳以上の国民全員に、男性は最低32カ月、女性は最低24カ月の兵役を義務付けているが、超正統派の学生は1948年の建国時から兵役を免除されてきた。

最高裁は全会一致で、「現時点では、神学校に通う学生と徴兵に就く学生を区別する法的枠組みは存在しない」と判断した。よって、「政府には徴兵の回避を指示する権限はなく、防衛服務法の規定に基づき対処しなければならない」とした。また、ユダヤ教の神学校には政府から補助金が支給されているが、最高裁は兵役に就かない学生が通う神学校に対して補助金の支給を停止する判決を下した。

この判決を受けて、野党・労働党党首のヤイル・ゴラン氏は、X(旧Twitter)のアカウントに「イスラエルの全ての国民が理解できるものであり、判決は最高裁裁判官全員にとっても満場一致で理解できるものだった。政府なきところに正義あり」と投稿した。

イスラエルとハマスの衝突の詳細についてはジェトロの特集を参照。

(中溝丘)

(イスラエル)

ビジネス短信 e856e73ac9c05afe