トルコ、中国からの輸入自動車に40%の追加関税
(トルコ、中国)
イスタンブール発
2024年06月11日
トルコ貿易省は6月8日、経常収支の悪化を防ぎ、国内自動車メーカーの保護を理由に、中国からの輸入自動車(HS8703:乗用車その他の自動車;ハイブリッド車を含む)に40%の追加関税を課すと発表した。トルコが輸入乗用車に課す基本の関税率は10%〔関税同盟、自由貿易協定(FTA)締結国を除く〕で、今回の措置で50%が課されることになる。
官報(大統領令8639号)によると、輸入車1台当たりの価格から算出される40%の追加関税が7,000ドル未満の場合でも、最低7,000ドルが課されることになる。この追加関税措置は7月7日に発効する。
トルコは既に2023年3月、中国から輸入される電気自動車(EV)の追加関税率を20%から40%に引き上げ(2023年は、自動車生産・販売・輸出ともに好調(ブラック)、同年11月に輸入EVのメンテナンスとサービスに関する規制(関税同盟、FTA締結国を除く)を発表した()。中国車に対する相次ぐ対策の背景には、巨額の貿易赤字(注)に加え、トルコ市場での中国車の急激な拡大がある。トルコの自動車市場にはガソリン車、EVなど中国ブランドの進出が急増しており、2024年に入ってからもSWM(斯威汽車)、ジェクー〔Jaecoo、奇瑞汽車のスポーツ用多目的車(SUV)ブランド〕が参入するなど、中国発のブランド数は12に増加した。トルコでの中国自動車(自動車、小型商用車)販売台数は2024年1月から4月で2万9,539台、シェアは7.95%に達したという。
(注)トルコ国家統計機構(TUIK)によると、トルコの中国からの輸入は2023年に前年比8.8%増の449億8,033万ドル、輸出は同0.7%増の33億541万ドルで、貿易赤字は同9.5%増の416億7,492万ドルを計上した。
(中島敏博)
(トルコ、中国)
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