富士フイルム、エジプト政府と医療画像解析・診断トレーニングプログラムのMOU
(エジプト、日本)
カイロ発
2024年06月17日
富士フイルム中東アフリカは6月5日、エジプト統一調達・医療品・医療技術管理庁(UPA)と、最先端の画像解析と診断技術を展開し、エジプトの医療技術者の能力向上を図るトレーニングプログラムを提供する覚書(MOU)に調印した。
6月4日から3日間、カイロで開催されたアフリカ最大級のヘルスケア分野の国際会議・展示会「アフリカ・ヘルス・エックスコン(Africa Health ExCon)」のメインステージでの発表セレモニーで、富士フイルム中東アフリカの近藤道夫マネジングディレクターは「エジプトは富士フイルムにとって重要な市場で、著しい成長の可能性を秘めている。30年以上にわたってヘルスケア支援に尽力してきた当社とUPAとのMOUは、患者の治療過程を改善しながら、医療機器や技術への投資を通じてエジプトのヘルスケア強化に貢献するという当社の使命を体現している」と述べた。また、カイロ市内にオフィスを新設し、わずか2時間で全身を検査、診断画像を見ながらその場で病気を発見、健診結果を提供できる健診センターのニューラ(NURA)を導入予定と発表した。
UPAのバハア・エルディン・ジダン長官は「日本とエジプトは政府レベルで数十年にわたり強固な2国間関係を築いてきた。優れた設計と医療サービスで小児科医療に比類ない貢献を果たしているカイロ大学小児病院など、医療分野での協力もその1つだ」として、日本の革新的製品を評価すると同時に、富士フイルムとの協力を強調した。
岡浩・駐エジプト日本大使は「両国は戦略的パートナーであり、医療分野でも協力の歴史が長い。最先端技術をエジプトに導入している富士フイルムがエジプト政府と協力して医療機器ソリューションとトレーニングを提供するMOUで、両国の歴史に新たなチャプターが加わった」と祝辞を述べた。
富士フイルムは2023年、エジプトの複数の州でアカデミーを開催、放射線技師や医学部生など約500人に医療最新技術のトレーニングを提供した。アフリカ・ヘルス・エックスコンでは人工知能(AI)ソリューションや超音波診断、X線透視診断、モバイルX線、MRI・CT、体外診断用医薬品(IVD)、内視鏡、ヘルスケアITシステムなど、多様な商材を展示した。
(西澤成世)
(エジプト、日本)
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