2023年のEコマース販売額、前年比2倍以上に拡大

(トルコ)

イスタンブール発

2024年06月06日

トルコ貿易省は5月27日、トルコのEC(電子商取引)取引高は2023年に前年比2.2倍の1兆8,500億トルコ・リラ(約8兆8,245億円、1リラ=約4.77円)になったと発表した。うち小売り販売は9,890億リラで、全体の53.5%を占める。同省の「トルコのEコマースの見通し外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」によると、高インフレ下でもECの拡大は続いており、2024年の販売額は3兆4,000億リラに達すると予測している。

トルコで最初に新型コロナウイルスへの感染が確認された2020年3月以来急増したEC販売は、新型コロナ禍が収束した後も勢いは衰えず、一般商取引販売額に占めるECのシェアは2019年の10.1%から2023年に20.3%、一般小売り販売額では2019年の8.3%から2023年には18.3%まで拡大した。また、2023 年のGDP に占める国内ECの割合(e-GDP)は6.8%となり、前年比で33.3%増、2019 年から 2023 年までの年間平均成長率は 26%と急速に拡大している。

2023年の販売額のうち51%が商品取引、49%がサービス取引となっており、カード取引の63%が商品、37%がサービス販売によるものだった。

2023年のEC販売では、白物家電・小型家電が最大で、2,330億リラだった。次いで電子機器で1,350億リラ、衣料品・履物・アクセサリーが1,270億リラだった。2019年から2023年にかけて見ると、新型コロナ感染症が拡大する中で外出・行動制限などの影響もあり、食品、スーパーマーケットが著しい伸びを示し、年平均成長率は2.7倍に達した。次いで家庭用品・園芸用品・家具・装飾品が2.2倍増、白物家電・小型家電が2倍だった。

トルコでのEコマースの主要プレーヤーとしては、中国のアリババ傘下のトレンドヨル(Trendyol)、雑貨全般を扱うヘプシブラダ(Hepsiburada)、アマゾンなどが知られており、Eコマースに関連する配送などの事業では、日用品配送プラットフォームのゲティル(Getir)、その傘下のN11(EC)、出前配達のイェメックセペティ(Yemeksepeti)も有名だ。一方で、2011年にeBayが買収したギッティギディヨル(Gittigidiyor)は競争激化の中で2022年に閉鎖された(ブラック クイーン ブラック ジャック))。なお、2023年にトルコでECに従事した企業数は55万9,412社だった。

(中島敏博)

(トルコ)

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