黒人の支持がバイデン氏に向かい、トランプ氏と互角に、米大統領選挙世論調査

米国の2024年大統領選挙候補として有力とみられる民主党候補のジョー・バイデン大統領、共和党候補のドナルド・トランプ前大統領両氏の支持率は、最近の世論調査でバイデン氏への黒人有権者の支持がやや回復、トランプ氏への35歳以下有権者の支持が低下し、互角になった。

USAトゥデイとマサチューセッツ州のサフォーク大学は5月6日、米国大統領選挙に関する世論調査結果（注1）を発表した。それによれば、無所属や第三政党の候補者も含めて、もし今日大統領選挙が行われた場合、誰に投票するかという問いに対して、トランプ氏、バイデン氏ともに37％と互角だった。無所属のロバート・ケネディ・ジュニア氏、コーネル・ウェスト氏がそれぞれ8％、2％と続いた。まだ決めていないとの回答は12％だった。

1月の同様の調査と比較すると、バイデン氏への黒人の支持が7ポイント上昇、無党派では5ポイント上昇した。一方、トランプ氏への35歳以下の支持が11ポイント低下し、ヒスパニックでは11ポイント減少、無党派で4ポイント低下した。しかし、バイデン氏への支持が回復したといっても、2020年の選挙時のレベルには及ばないとしている。

ケネディ氏の支持者のうち8割、ウェスト氏の支持者のうち88％は、投票する前に考えが変わるかもしれないと回答した。

通常、投票日が近づくと第三政党の候補者への支持は低下するが、接戦の選挙では激戦州（スイングステート(642KB)）でわずか数千の票でも選挙結果を左右する可能性がある（USAトゥデイ5月6日）。

ABCニュースと調査会社イプソスが4月末に実施した世論調査（注2）では、もし今日大統領選挙が行われた場合、誰に投票するかという質問に対して、バイデン氏とトランプ氏の直接対決では、登録有権者を対象にすると、バイデン氏への支持率は46％とトランプ氏（45％）を1ポイント上回り、さらに投票予定者に絞ると、バイデン氏が49％とトランプ氏（45％）を4ポイントリードした。

トランプ氏がニューヨーク州で業務記録改ざんのため起訴された事案で、もし重罪で同氏が有罪判決を受けても80％は「同氏への支持を変えない」としているが、16％は「同氏への支持を再考する」、4％は「同氏をもう支持しない」という結果だった。ABCニュース（5月5日）は、接戦では、このようなわずかな数字でも重要になると指摘する。

（注1）実施時期は2024年4月30日～5月3日。対象者は全米の登録有権者1,000人。

（注2）実施時期は2024年4月25～30日。対象者は全米の成人2,260人。

（松岡智恵子）