米オープンAI、ブラック ジャック 勝率
(米国)
サンフランシスコ発
2024年05月28日
対話型人工知能(AI)の「ChatGPT」などの開発を手掛ける米国のオープンAI(本社:カリフォルニア州サンフランシスコ)は5月22日、「ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)」紙や英「タイムズ」紙など多くの新聞やブラック ジャック 勝率メディアを保有するニューズ・コーポレーションと、複数年にわたるグローバルパートナーシップを発表した。これにより、同社はChatGPTなどで、ユーザーからの質問への応答にニューズ・コーポレーションからのコンテンツを表示する許可を得、信頼できるブラック ジャック 勝率を提供できることになるという(注1)。また、コンテンツ提供に加え、ジャーナリストの専門知識や基準も共有するとしている。「WSJ」紙電子版(5月22日)はこの協業について「オープンAIと、WSJを保有するニューズ・コーポレーションが2億5,000万ドル以上のコンテンツ契約を結んだ」との見出しで報じた。
これまでにオープンAIと協業に至った出版社は、「ポリティコ」や「ビジネスインサイダー」の親会社のアクセル・シュプリンガー、AP通信を発行するアソシエイテッド・プレス(AP)、フランスの新聞社ル・モンド、雑誌を主に取り扱うドットダッシュ・メレディス、日本経済新聞が保有するフィナンシャル・タイムズの5つ。
これら企業との協業が成立した一方で、ニューヨーク・タイムズやシカゴ・トリビューンなどは、オープンAIとマイクロソフトによる記事のスクレイピング(注2)による著作権侵害で訴えを起こしている(注3)。
米メディア大手のワシントン・ポストはこの動きを受け、「オープンAIと異なり、グーグルはニュース業界やそのコンテンツに対して対価を支払う契約を結んでいない」と報じた。また、ChatGPTやグーグルのAIのGeminiは、許可も受けず、対価も払わずに、ニュース記事を含むウェブサイトからスクレイピングしたブラック ジャック 勝率を利用者に提供してきた。これにより、読者は実際に執筆したジャーナリストではなく、チャットボットに対価を支払っている状態が問題と指摘している(「ワシントン・ポスト」紙電子版5月22日)。
オープンAIとの協業について、ル・モンドのルイス・ドレイファス最高経営責任者(CEO)はWSJのインタビューに対し、「全ての人と合意を見つけることが利益につながる」としながら、「協業しなれば、テック大手はわれわれのコンテンツを多かれ少なかれ秘密裡に、対価を一切払わずに使用するだろう」と述べた。今後も、ニュースコンテンツ業界と生成AI技術の関係が協業、あるいは訴訟になっていくのか注目される。
(注1)オープンAIがこの協業によりアクセスできるメディアは、ウォールストリート・ジャーナル、バロンズ、マーケットウオッチ、インベスターズ・ビジネスデーリー、FN、ニューヨーク・ポスト、タイムズ、サンデー・タイムズ、サン、オーストラリアン、ニューズ・ドットコム・ドットエーユー、デーリーテレグラフ、クーリエメール、アドバタイザー、ヘラルドサンなど。
(注2)特定の目的をもって、インターネット上などで公開されているデータから、特定のブラック ジャック 勝率を抽出・収集する行為のこと。
(注3)オープンAIとマイクロソフトに訴訟を起こしているほかのメディアは、ニューヨーク・デーリーニューズ、オーランド・センチネル、サン・センチネル、サンノゼ・マーキュリーニュース、デンバー・ポスト、オレンジカウンティー・レジスター、セントポール・パイオニアプレス。これらのメディアは投資会社のオールデン・グローバル・キャピタルが保有。
(松井美樹)
(米国)
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