重慶市、大規模設備の更新と消費財買い替え推進行動プラン発表
(中国)
成都発
2024年05月28日
中国の重慶市政府は4月26日、「大規模設備の更新と消費財買い替え推進行動プラン」を発表した。国務院は3月13日、国レベルでの「大規模設備の更新と消費財買い替え推進行動プランに関す通知」(国発[2024]7号)を発表しており、重慶市の行動プランは、国務院の推進行動プランを実施するため、市政府が現地の状況を踏まえて作成した。
同行動プランでは、(1)工業、農業設備の更新、(2)都市建設、交通設備の更新、(3)教育、文化・観光、医療設備の更新、(4)消費財の買い替え、(5)回収・リサイクルの円滑化などの方針を打ち出し、2027年までの主な数値目標を設定した。
大規模設備の更新については、重点分野の設備更新と技術改造を加速、工業企業のデジタル化を実施、環境保護設備や農業機械設備の更新を加速させるなどの項目を明示した。設備更新を推進する重点産業として、化学、自動車、非鉄金属、建材、電力、機械、航空、造船、繊維、電子などを挙げ、具体的な数値目標として、2027年までに生産設備の更新率を60%以上に設定した。また、2027年までに同市の技術改造プロジェクトを8,000以上実施し、累計1万台以上の設備を更新することで、一定規模以上の工業企業のデジタル研究開発・設計ツールの普及率、コア工程のコンピュータ数値制御率をそれぞれ87%超、65%超に引き上げる目標とした。
消費財買い替え推進については、自動車、家電、住宅内装材を中心に展開するとした。自動車では、2027年までに同市の新エネルギー車の保有台数目標を100万台とした。2024年までに同市全域に超急速充電ステーションを1,000カ所、超急速充電スタンドを2,000基備えるなど、新エネルギー車普及のための充電インフラ整備の建設数値目標も示した。家電では、2027年までに年間平均約400万台の家電製品の更新を目標に定めた。住宅内装材については、高齢者住宅のリフォームやモニタリングシステムの導入などを推進し、条件を満たすリフォーム住宅には一定の補助金を支給するとした。
また、重慶市商務委員会は5月17日、自動車の買い替え促進策を具体化した措置として、「新エネルギー車買い替え補助に関する通知」を発表した。これに関連し、同委員会は5月21日に記者会見を行った。消費促進処の王順輝処長は会見で、2024年5月21日から2024年10月31日までの期間に、条件を満たす自動車の買い替えを行った消費者には、自動車の価格に応じて最高3,000元(約6万6,000円、1元=約22円)の補助金を支給するとした。そのほか、現地自動車メーカーや金融機関なども、自動車の買い替え促進に積極的に取り組んでおり、重慶市政府からの補助金に加え、自動車メーカーの補助金や値引きプロモーションを展開し、消費者へ還元するとした(「重慶日報」5月22日)。
(王植一)
(中国)
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