外国人投資家に対する滞在許可発行プログラムの改正法公布
(ギリシャ)
ミラノ発
2024年05月09日
ギリシャで4月5日、EU域外からの外国人投資家に対する滞在許可発行プログラムを修正する改正法が公布された。
2012年施行の「ゴールデン・ビザ」とも呼ばれるこのプログラムは、一定の条件を満たし、不動産の購入や観光客用宿泊施設のリースに最低25万ユーロ以上の資金投資を行うEU域外の外国人投資家に対し、5年間の滞在許可を与える制度。2022年12月の法改正により、特定の地域・都市での最低投資基準額が50万ユーロに引き上げられた(2023年1月19日記事参照)。
2度目となる今回の改正では、首都アテネ周辺地域、テッサロニキ、ミコノス島、サントリーニ島、人口3,100人以上の国内の全ての島々での最低投資基準額が80万ユーロに引き上げられたほか、その他の地域でも25万ユーロから40万ユーロへと増額された。
不動産購入による投資の場合は、不動産1件につき総面積120平方メートル以上の物件に適用するなどの新たな基準が設けられた。また、政府が指定する保護対象建築物を住宅としてリノベーションする場合や、最低5年間稼働していない産業用物件については、最低投資基準額は25万ユーロのままとするなどの例外が定められた。
なお、このプログラムを通じて取得した不動産を民泊サービスなど短期間の賃貸目的に使用することは許可していない。また、付与された滞在許可はギリシャでの労働許可を与えるものでもない。
今回の改正法には移行期間が設定され、2024年8月31日までに不動産契約額の前金10%相当を支払い、同年12月末までに全額の支払いを完了した場合には、改正前の基準額を適用できる。
(井上友里)
(ギリシャ)
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