ベルギーの特殊化学品メーカー、米ジョージア州にEVバッテリー用材料工場を建設
(米国、ベルギー)
アトランタ発
2024年05月13日
ベルギーの特殊化学品メーカーのサイエンスコは4月25日、米国のジョージア州オーガスタで電気自動車(EV)のバッテリー用材料の新工場の起工式を実施したと発表した。新工場は、完成すれば北米最大のポリフッ化ビニリデン(PVDF)工場となり、約100人の新規雇用を創出する予定だ。
オーガスタの新工場で生産されるPVDFは、リチウムイオンバッテリーのバインダー(接着剤)やセパレーター・コーティングに使用され、特にEVの航続距離延長、バッテリーの寿命延長や安全性向上に効果を発揮する。新工場の生産能力は、最大で年間500万台以上のEVのバッテリーに必要なPVDFを供給可能とされている。
サイエンスコは2023年12月、ベルギーの大手化学メーカーのソルベイから分社した上場企業だが、ソルベイは同年11月、メキシコのポリ塩化ビニル(PVC)生産大手オルビアと原材料供給および最終製品の工場建設を含む合弁事業に関する契約を締結していた。同契約に基づき、オルビアは米国ルイジアナ州セントガブリエルに、原材料を中間財に加工する施設を建設する予定だ。両工場とも2026年の稼働を見込んでいる。
本プロジェクトは、2022年10月に米国エネルギー省が発表したインフラ投資雇用法(IIJA)に基づく、EV用バッテリーの国内生産拡大を目的とした合計28億ドルの助成金の対象で(米エネルギー省、EV用バッテリーの国内生産プロブラック)、1億7,800万ドルが交付される。
(秋山博幸)
(米国、ベルギー)
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