米AIスタートアップがロンドンに進出、英企業も資金調達発表
(英国、米国)
ロンドン発
2024年05月13日
米国の人工知能(AI)スタートアップのコアウィーブ(CoreWeave)は5月10日、ロンドンに欧州地域の統括拠点を設置することを発表、10億ポンド(約1,950億円、1ポンド=約195円)を投資することも発表した。同社はAI向けの画像処理装置(GPU)クラウドサービスを提供しており、利用企業が複雑なワークロードに対応することを可能にするとしている。同社は英国への進出について、AIインフラへの需要の大きさと、AIハブとしてのロンドンの重要性について言及。また、2024年中に英国内に2カ所のデータセンターを開設、2025年にもさらなる拡大を計画しているとした。
これに先立つ7日にも、英国政府は米国のAIスタートアップ、スケールAI(Scale AI)がロンドンに欧州地域の統括拠点を設置することを発表している。同社はAIモデルを構築する企業や公的機関向けに、高質なデータセットの作成を支援する技術を提供している。同社のファウンダー兼最高経営責任者(CEO)のアレクサンドル・ワン氏は英国について、技術、人材、多様なアイデアが生まれる場所だとした。さらに、英国政府によるAI産業への関与についても言及、技術進歩を進めるべく政府とも進んで連携を続けるとした。
英国の自動運転車向けのAIを手掛けるウェイブ(Wayve)は7日、10億5,000万ドルの資金を調達したことを発表した。ソフトバンクグループが中心となり、米エヌビディアやマイクロソフトが投資。同社は自動運転車用に、運転手や歩行者の予期せぬ行動といった規則的でない状況からの学習など、実世界の環境からの学習を可能とするエンボディドAI(Embodied AI)を開発している。
AIの安全性評価プラットフォームも公表
英国のAIセーフティー機関は5月10日、AIの安全性を評価するためのプラットフォーム、「インスペクト(Inspect)」を公開したことを発表。同プラットフォームは個別のモデルの特定の能力を評価し、その結果に基づいてスコアを算出するもので、無料で利用が可能となっている。
(山田恭之)
(英国、米国)
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