中部沿岸のビントゥアン省とカインホア省で高速道路開通、ホーチミン市からの移動時間短縮

(ベトナム)

ホーチミン発

2024年05月24日

ベトナム中部沿岸地域のビントゥアン省とカインホア省を結ぶカムラン~ビンハオ高速道路の開通式が4月26日に行われた。ファム・ミン・チン首相やグエン・チー・ズン計画投資相のほか、中央省庁や地方省の関係者が出席した。この高速道路は全長78.5キロ、道幅17メートルの4車線で、ビントゥアン省(約12キロ)、カインホア省(約5キロ)、ニントゥアン省(約63キロ)の3省を通過する。建設費用は8兆9,250億ドン(約553億円、1ドン=約0.0062円)で、2021年9月に官民パートナーシップ(PPP)方式により着工した。

ベトナム南部のホーチミン市から北へ約430キロ離れたカインホア省の省都ニャチャン市までの車移動は、次の5つの高速道路を通して接続可能となる。

  1. ホーチミン~ロンタイン~ザウザイ高速道路(ホーチミン市~ドンナイ省)
  2. ザウザイ~ファンティエット高速道路(ドンナイ省~ビントゥアン省)
  3. ビンハオ~ファンティエット高速道路(ビントゥアン省)
  4. カムラン~ビンハオ高速道路(カインホア省~ニントゥアン省~ビントゥアン省)
  5. ニャチャン~カムラン高速道路(カインホア省)

これまでは国道1号線を経由するルートで、車移動に8時間を要したが、同高速道路の開通によって、約5時間程度に短縮されるという(VNエクスプレス4月26日)。

同高速道路には今後4つの料金所が設置され、全区間通行時の料金は車の積載量に応じて、13万ドンから49万7,000ドンに設定される予定だ(注)。電子料金収受システム(ETC)は3段階に分けて導入する計画で、最終的には2026年以降にゲートのない多車線フリーフローETCの導入を目標としている(VNエコノミー5月13日)。

開通式で、チン首相は「交通インフラの整備は重要な施策の1つだ。これまで1,078キロの南北高速道路が開通し、全国で2,000キロ以上の高速道路が運用されている。2025年までに国内の高速道路網を3,000キロ以上にすることを目標としている。これにより、市街地と工業団地間の接続、地域格差の是正や地方の経済発展に貢献するだろう」と述べた(「共産党新聞」電子版4月28日)。

(注)5月2日から料金徴収を実施予定だったが、3日時点では無料で通行が可能。

(ティエン・グエン、新田和葉)

(ベトナム)

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