英地方議会選、与党・保守党が大敗、ロンドン市長はカーン氏再選

(英国)

ロンドン発

2024年05月08日

英国・イングランドで5月2日、地方議会選挙が行われた(添付資料表参照)。改選対象はイングランドの107自治体の議会で、併せてロンドンを含む11の市長選も実施された。地方議会選では、野党・労働党が前回選挙(注)から186議席増の1,158議席とした。一方、与党・保守党は474議席減の515議席と、自由民主党(104議席増)をも下回る結果となった。自由民主党が地方議会選で保守党を破るのは1996年以来(「BBC」5月4日)。緑の党も181議席と前回から74議席増だった。

同日に行われたロンドン市長選では、現職のサディク・カーン市長(労働党)が2位の候補者に約28万票の大差をつけて勝利、3期目を迎えることとなった。北西部の主要地域グレーター・マンチェスター市長選についても、現職のアンディ・バーナム市長(労働党)が勝利している。

さらに、2017年以来、アンディ・ストリート氏(保守党)が市長を務めていた中西部ウェストミッドランズでも、保守党は労働党に敗北。労働党のキア・スターマー党首は同地域での勝利について「予想を上回る素晴らしい結果」とし、リシ・スナク首相に対して、選挙の結果を踏まえ、可能な限り早期に総選挙を実施すべきと求めた(「スカイニュース」5月4日)。

今回の敗北を受け、リシ・スナク首相は「非常に残念」としながらも、「総選挙の結果はまだわからない」とコメントしている。

意識調査では労働党が依然有利

調査会社ユーガブが4月30日~5月1日に実施した調査外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、次回の総選挙の投票先として保守党と回答した割合は18%と、労働党の44%を大きく下回る。なお、同調査では右派政党のリフォームUKを投票先として回答する割合が15%と、保守党に次ぐ3番手となっている。

(注)BBCによると、多くの議席は2021年に改選されているものの、2022年、2023年に改選された議席も一部含まれる。

(山田恭之)

(英国)

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