イタリア産業連盟、新会長を指名
(イタリア)
ミラノ発
2024年04月15日
日本の経団連に相当するイタリア産業連盟(コンフィンドゥストリア)は4月4日、次期会長にエマヌエレ・オルシーニ氏を指名した。4月18日に指針表明および副会長人事が発表され、5月23日の総会での承認を経て就任する見通し。イタリア産業連盟会長の任期は4年間で、続投は不可。前任のカルロ・ボノーミ氏は任期満了での退任となる。
選出後、オルシーニ氏は「大変光栄に思う。非常に複雑で難しい選挙戦だったが、イタリア産業連盟は理想的なかたちで、より強化できた」とし、18日に発表される今後の方針について、「対話」「アイデンティティー」、そして大企業と中小企業の垣根を越えた「団結」の3つの重要性を強調した。
オルシーニ氏は、1973年生まれでエミリア・ロマーニャ州サッスオーロ出身。家業である木造建築・産業物流のシステム・コストルツィオーニの最高経営責任者(CEO)などを経て、2017年からはイタリア木材・家具工業連盟(FederlegnoArredo)会長を務めた。2020年からはイタリア産業連盟の副会長となり、金融・財務・税務部門の代表を担っていた。
直前まで対立候補として、エネルギー大手のERG社長および「イル・ソーレ・24オーレ」紙の会長であるエドアルド・ガッローネ氏の名前が挙がっていた。しかし同氏は、投票の前日に「会長職のためのイタリア産業連盟ではなく、イタリア産業連盟のための会長職だ」と、内部分裂を避けるために候補を辞退。オルシーニ氏の選出は自明となった。実際、投票総数173票のうち、オルシーニ氏への賛成が147票を占めた。
ジョルジャ・メローニ首相は4月4日、X(旧Twitter)でオルシーニ氏への祝辞と、ボノーミ氏へ謝意を述べるとともに、「政府にとって、企業と経営者は雇用を創出し、富を生むという意味において、共に歩むべき存在。有用性と対話を継続する」とコメントした。アドルフォ・ウルソ企業・メイドインイタリー相も同日、Xで「グリーン、デジタル、双方の移行において企業が中心となっていく。このことを(政府、イタリア産業連盟と)共に再認識するのに重要な数年となるだろう」と述べた。
(平川容子)
(イタリア)
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