広東省、大規模設備の更新と消費材買い替えの実施プランを発表
(中国)
広州発
2024年04月23日
中国・広東省政府は4月13日、「大規模の設備更新および消費材買い替えに関わる実施プラン」(以下、実施プラン)を発表した。国務院は3月13日、国レベルでの「大規模設備の更新と消費財買い替え推進行動プランに関する通知」(国発[2024])を発表しており(ブラック ジャック ブラック)、同実施プランは、国務院の推進行動プランを実施するため、広東省政府が現地の状況を踏まえて作成した。
同実施プランでは、大規模の設備更新について、2027年までに工業、エネルギー業、農業、建築、交通、教育、文化・観光、医療などの分野の設備投資規模を2023年比25%以上増加させる目標を打ち出した。デジタル化、省エネ化、生産効率と安全性の向上などを目的とし、設備更新を行う。
消費材の買い替えについては、自動車、家電、家具・住宅内装材を中心に展開する。具体的な数値目標として、2027年までに使用済み自動車の回収量を年間80万台以上、中古車取引量を年間400万台以上、使用済み家電の回収量を年間1,000万台以上などと定めた。
目標達成のため、主に財政、税務措置、金融面で政策の実施を支援する。財政面では、省レベルの企業技術改造専用資金(注1)などの財政資金を活用し、企業の設備更新とアップグレードへの支援を強化する。税務面では、省エネ・節水、環境保護、資源の総合利用、デジタル化・スマート化改造、安全生産専用設備、新エネルギー車の購入、中古車販売などの各分野で税収優遇政策を実施する。また、設備の加速償却関連の税収優遇政策も実行する。金融面では、科学技術イノベーションと技術改造の再融資(注2)などの政策と中央財政による特別利子補給政策(注3)を活用して、金融機関が設備更新と技術改造への支援を強化するよう誘導する。
商務部国際貿易経済合作研究院の白明研究員は「広東省が発表した実施プランは、広東省の実情に即しており、同省の製造業のモデルチェンジと消費のアップグレードを加速させた。広東省、特に珠江デルタの製造業は、世界の中でも競争力があり、企業の大規模設備更新への需要が大きい。また、デジタル産業・スマート産業の発展基礎があり、消費力も高い。実施プランの施行により、企業・社会発展へのニーズに応え、質の高いアップデートを実現することができる」と述べた(「南方日報」4月14日)。
(注1)企業の技術改造を支援するために、広東省政府が提供する財政特別資金。省政府が予算を手配・管理し、専門用途と業績目標を持つ。
(注2)金融機関がテクノロジー関連中小企業、重点分野の技術改造と設備更新への金融支援を増やすことを奨励するため、中央銀行の中国人民銀行が金融機関に提供する専門融資。
(注3)中央財政が特定の用途で貸し付けを行っている企業に対して、利子を補給する政策。その実質は中央財政が企業に代わって銀行に利息の全部または一部を支払うことであり、政府が関連企業やプロジェクトの発展を支援する方法だ。
(梁梓園)
(中国)
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