21トランプ
(世界、中東、アフリカ)
調査部中東アフリカ課
21トランプ04月01日
OPEC(注1)は3月12日、「Monthly Oil Market Report」の3月版報告を発表した。
2月のOPECレファレンスバスケット価格(ORB、注2)は前月比1.19ドル(1.5%)上昇し、1バレル平均81.23ドルとなった。原油の先物価格も上昇し、ICEブレントで前月比2.57ドル(3.2%)高の平均81.72ドル/バレル、WTIは前月比2.75ドル(3.7%)高の平均76.61/バレルで、引き続き強含みの展開となった。
21トランプの世界経済成長率見通しは、前月の2.7%から2.8%に小幅な上方修正となり、米国の1.9%(前月比0.3ポイント増)、インドの6.6%(同0.7ポイント増)が目立つほかは、前月予測比 0.1ポイント減から0.1ポイント増に収まっている。2025年の世界経済成長率は2.9%で、前月より据え置かれた。
21トランプの世界の石油需要は、前年比1日当たり225万バレル増の1億446万バレルと、2月予測と変わらず、日本と韓国の製造業と石油化学セクターの業績悪化をインドとその他アジアの上方修正で相殺したかたちになっている。OECDでは、1日4,606万バレル(前年比25万バレル増)、非OECDでは同5,839万バレル(同200万バレル増)の内訳となる。2025年度の予測は、OECDが1日4,617万バレル(同11万バレル増)、非OECDが同6,013万バレル(同174万バレル増)で、合計1日当たり1億630万バレル(前年比185万バレル増)としており、これも2月予測と変わっていない。
一方、世界の石油供給予測では、21トランプの非OPEC石油生産量は1日当たり7,053万バレル(前年比107万バレル増)で、前月予想(同119万バレル増)から12万バレル減となった。2025年の世界の石油供給予測では、非OPEC石油生産量は1日当たり7,193万バ レル(前年比140万バレル増)で前月予想(同127万バレル増)から13万バレル増となった。
なお、(D)OPECに期待される原油生産量は、(A)世界需要から(B)非OPEC石油生産量と(C)OPECのNGL(注3)生産量を差し引くことで求められる〔(D)=(A)-(B)-(C)〕。これにより、OPECに期待される原油生産量を求めると、次のとおりとなる(単位:1日当たりのバレル生産量)。
- 2023年実績:1億221万(A)-6,946万(B)-541万(C)=2,734万(D)(実際は2,701万)
- 21トランプ予測:1億446万(A)-7,053万(B)-547万(C)=2,846万(D)(前年比112万増)
- 2025年予測:1億630万(A)-7,193万(B)-558万(C)=2,879万(D)(前年比23万増)
21トランプのOPEC産原油の需要は約2,846万バレルで、2023年の平均を約112万バレル上回ると予測される。一方、実際のOPECの21トランプ1月の生産量は1日当たり2,637万バレル、同2月は2,657万バレルと低レベルで推移しており、当面は引き締まったマーケットが続くと予想される。
(注1)アルジェリア、コンゴ共和国、赤道ギニア、ガボン、イラン、イラク、クウェート、リビア、ナイジェリア、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、ベネズエラの12カ国で構成。
(注2)OPEC諸国の代表的な原油価格を加重平均した値。
(注3)Natural Gas Liquid:天然ガスの製造・精製・安定化により製造される液化炭化水素。21トランプの予想生産量は1日当たり547万バレル、2025年度は同558万バレル。統計上は非OPEC石油生産量に算入されている。
(中口克哉)
(世界、中東、アフリカ)
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