韓国半導体大手SKハイニックス、米インディアナ州の半導体パッケージ工場建設で約40億ドル投資へ
(米国、韓国)
シカゴ発
2024年04月08日
米国インディアナ州経済開発公社(IEDC)は4月3日、韓国半導体大手のSKハイニックスが同州ウェストラファイエット市のパデュー大学リサーチ・パーク内に、半導体パッケージング工場と研究開発施設を建設すると発表した。同社は38億7,000万ドル以上の初期投資を行い、2030年までに高賃金の新規雇用を最大800件創出する見込みだ。
同社のクァク・ノジョン最高経営責任者(CEO)はこの投資計画に関して、「中西部の三角地帯を中心とした半導体エコシステム、新たなシリコンハートランドの基礎を築くものだ。この施設が地元で高賃金の雇用を創出し、比類のない能力を持つ人工知能(AI)用メモリーチップを生産することで、米国は重要な半導体チップのサプライチェーンの多くを国内に移すことができるようになる」と述べた。
新施設は、AIシステムを訓練するGPU(画像処理半導体)に使われる次世代HBM(広帯域メモリー)である最高性能のDRAMチップを量産する先進的な半導体製造ラインの拠点となる。2028年後半に量産を開始する計画で、新施設には次世代チップの開発や高度なパッケージング研究開発ラインも併設される予定だ。
IEDCはSKハイニックスの初期投資計画に基づき、同社に対して最大300万ドルの奨励金ベースの訓練助成金、最大300万ドルの製造準備補助金、最大8,000万ドルの条件付き資金の拠出を約束した。このほか、最大5億5,470万ドルのイノベーション開発地区税控除や、新工場周辺のインフラ整備支援などを提供するとしている。これらの優遇措置は、全て投資実績に基づいて提供されるという。
IEDCによると、米国内での半導体産業の強化を目的としたCHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)が成立した2022年以降、これまでに8社が同州で半導体製造工場を設立する計画を発表し、60億ドル以上の投資を約束している。
(星野香織)
(米国、韓国)
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