ウクライナのデジタル・テック企業がピッチ、ブラック ジャック ブラック クイーンがJ-Bridgeウェビナー

(ウクライナ、日本)

企画部企画課

2024年04月03日

ブラック ジャック ブラック クイーンは3月21日、J-Bridgeピッチイベント・ウェビナー「ウクライナ・ポーランドの注目のスタートアップの魅力-デジタル・テック編-」を開催した。ウクライナのスタートアップ企業から、蚊の駆除や倉庫用ロボット、太陽光発電が可能なブラインドに関する技術について、それぞれプレゼンテーションが行われた。

ウクライナで活動するデロイト・ウクライナのワシル・ドロボト税務法務部門長は、同国のビジネス環境の優位性として、安価で教育レベルが高い労働力、人口の多さ、スタートアップ企業の活動が活発なことを挙げた。ウクライナ政府はビジネス促進に注力しており、中でもIT分野に対する税制優遇や知的財産保護施策は同国のスタートアップ企業の活動を後押ししているという。

オンラインピッチでは、ウクライナのスタートアップ企業3社が登壇した。

はじめにピッチを行ったのは、多くの病気を媒介する蚊に対し、有毒成分を使用せずに排除するデバイスを開発・販売しているモスキッター(Mosqitter外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)のアンナ・プロツェンコ・オペレーションマネジャー。女性が中心となって設立した同社は、年間100万人が蚊由来の病気で亡くなっていることや、駆除のために毎年191億ポンド(約955万トン)の殺虫剤が使用されている課題に着目して商品を開発。据え付け後すぐに稼働でき、1台当たり約8,000平方メートルの広さのカバーが可能で、93%の確率で人を蚊から守る。

続いて、倉庫用の無人搬送・仕分けロボットを開発・販売しているデウス・ロボティクス(Deus Robotics外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)が登壇。イリナ・レンコビト最高財務責任者(CFO)は、人件費が上昇している一方、労働集約的でオートメーションが進んでいない倉庫ビジネスのイノベーションに向けて、2030年までに70億5,000万ドルになると予測される倉庫自動化ロボット市場でのシェア拡大を目指していると述べた。

最後に、ソーラーギャップ(Solargaps外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)のエフゲン・エリック最高経営責任者(CEO)が登壇。建物単位でエネルギー効率改善が求められる中、既存の屋根型太陽光発電では設置場所が限られることや、室内冷却のために多くのエネルギーをエアコンに使用していることを踏まえ、太陽光の照射による室内温度の上昇を防ぎながら太陽光発電ができる外付けスマートブラインドを開発・販売している。同社は欧州を中心に展開しているが、シンガポールでの引き合いをきっかけに、アジア市場での展開も視野に入れている。

(菱川奈津子)

(ウクライナ、日本)

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