新自動車産業政策の税額控除クレジット付与の要件を公布、23社の申請を承認

(ブラジル)

サンパウロ発

2024年04月16日

ブラジルのジェラルド・アルキミン副大統領兼開発商工サービス相は326日、新自動車産業政策(MOVERブラック ジャック 勝率 ジェトロ活用事例)に関する詳細を規定した開発商工サービス省令第43号を公布したことを明らかにした。MOVERは脱炭素化、技術革新、研究開発、部品の現地開発・生産を奨励する目的で 202312月に導入されたもの。今回公布された省令はMOVERのうち、ブラジル国内で研究開発投資や新規生産を行う自動車・同部品メーカーに対する税制恩典が対象となる。具体的には、各メーカーが連邦税の支払いに控除できるタックスクレジットの付与要件を規定している。

同省令ではまず、タックスクレジット付与の要件として、自動車・同部品メーカーによる商品やサービスの販売による総収入(販売に課される税金および拠出金を除く)に対して、一定割合の研究開発や新規生産プロジェクトへの投資額を定めている。商用車および軽商用車を製造する企業は1%、バス・トラックなどを製造する企業は0.60%、自動車部品などを製造する企業は0.30%の投資額が求められる。各割合は2029年まで毎年、段階的に引き上げられ、2029年には商用車・軽商用車は1.80%、バス・トラックなどや自動車部品などは1.00%になる予定だ(添付資料表参照)。

MOVERの前身として、20187月~202312月に実施されていた自動車産業支援策(Rota 2030)の下でも、同様のタックスクレジットの枠組みは存在した。2023年時点でタックスクレジットの資格付与に必要とされた最低投資額割合は、商用車・軽商用車や部品を製造する企業で総収入の1.2%、バス・トラックなどを製造する企業で総収入の0.75%と、今回発表されたMOVERによる2024年の最低投資額割合より高かった。2024326日付現地紙「エスタード」によると、連邦政府が2023年時点のRota 2030より低い基準を定めたのは、今後より多くの企業からの新規投資を奨励するためとしている。

開発商工サービス省の202449日付公式サイトによると、トヨタ、日産、ホンダ、ルノー、プジョー・シトロエン、フォルクスワーゲン(VW)、ゼネラルモーターズ(GM)、メルセデスベンツ、フィアット・クライスラーなど23社がMoverプログラムへの申請が承認され、登録されている。

(エルナニ・オダ)

(ブラジル)

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