ブラック ジャック 勝ち 方、米シンクタンク
(米国、日本)
ニューヨーク発
2024年04月10日
米国シンクタンクのハドソン研究所は4月5日、日米2国間の経済関係強化をテーマとしたイベントを開催した。日系企業の投資が盛んなインディアナ州(注1)のエリック・ホルコム知事(共和党)が基調講演を行ったほか、日米の両政府関係者や専門家が経済関係を強化し得る領域や、日系企業の対米投資の課題などについて議論を行った。
イベント冒頭に基調講演を行ったホルコム知事は、インディアナ州に所在する外国企業1,050社のうち300社が日系企業で、約5万5,000人の質の高い雇用を支えており、日本からの投資額は人口1人当たりで同州が全米で最も多いなどと述べ、同州経済での日系企業の貢献を説明した。また「投資は将来に新たな機会をもたらすもので、金額以上の意味を持つ。雇用が生まれ、新たに住宅が建ち、より多くの子どもが学校へ通うことを意味する。インディアナ州の健全性と活気に貢献するものだ」「日本の貿易と投資はインディアナ州の健全性に大きな役割を果たしていることは間違いない」と述べ、日系企業の投資による地域社会全体への波及効果を強調した。
パネルディスカッションでは、経済安全保障をテーマに議論が行われた。経済産業省の西川和見経済安全保障室長は、サプライチェーンを特定の国・地域に過度に依存する状態は経済の武器化・経済的威圧の手段とされるリスクがあると述べた。これに対し、例えば、半導体分野で日米2国間の連携が進むように、同盟国・産業界が連携して経済安全保障の確保に取り組む必要があると提起した。また、ハドソン研究所シニアフェローのトーマス・デュスターベルク氏は「米日間の協力関係は深く、長い間続いてきたものだ。われわれはこの協力関係を拡大するために積極的であり続ける必要がある」と強調した。具体的に、電気通信、重要鉱物、半導体、自動車、航空宇宙、造船、開発途上国へのインフラ開発援助などの分野で、日米両国が協力を続ける必要があると指摘した。
パネルディスカッションでは、日系企業の対米投資やその課題について議論が行われた。ブラック ジャック 勝ち 方三浦聡ニューヨーク事務所長は、米国の対内直接投資残高では国別で日本が2019年以降最大だと指摘し、日本企業による米国経済への貢献を強調した。一方で、日系企業からはCHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)やインフレ削減法(IRA)の補助金が今後も継続して支出されるかどうかの相談が増えていると指摘し、米国が引き続き日本からの投資を引き付けるには、そうした予見性の確保が重要になることや、各州によって異なるルールが日系企業のコスト負担になる可能性(注2)などを課題として提起した。ハドソン研究所非常勤フェローのポール・スラシック氏は日本製鉄のUSスチール買収を巡って(注3)、ホルコム知事は日本からの直接投資の価値を明確に理解していた一方で、米国の有権者はそれを理解していないと述べた。この問題に対して、「日本企業はビジネスをする上で、とても静かな傾向がある。日本企業が存在することを人々は知らない。どのような雇用が提供されているのかも知らない。われわれはこうしたことについて、より透明性を確保する必要がある」と述べ、情報発信の必要性を強調した。
(注1)ジェトロは、米国への進出や拠点拡大時、州政府などと連携した工場や研究開発拠点設立の立地選定支援サービスを提供しているほか、インディアナ州を含む各州政府から日本企業向けのブリーフィング動画を公開している。
(注2)米国調査会社のユーラシア・グループは、2024年の世界の10大リスクの10位に「分断化が進む米国でビジネス展開する企業のリスク」を挙げたほか、州ごとに異なるルールが日本にとってコストになり得ると指摘している(米調査会社、2024年の10大リスク発表、最大リスクはブラック)。
(注3)日本製鉄のUSスチール買収を巡っては、ジョー・バイデン大統領が安全保障上の懸念を示唆するなど、2024年11月の米国大統領選挙を前にした政治的論争の対象になっている(バイデン米大統領、ブラック ジャック)。
(葛西泰介)
(米国、日本)
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