バイデン米政権、TSMCに最大66億ドルの助成発表、TSMCは米アリゾナ州に第3工場の建設発表

(米国、台湾)

ロサンゼルス発

2024年04月09日

米国のバイデン政権は4月8日、CHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)に基づいて、米国内での最先端半導体製造施設建設のため、最大66億ドルの助成などで商務省と半導体ファウンドリー(受託製造)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の子会社TSMCアリゾナが予備的覚書(PMT)に署名したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。また、TSMCが米国アリゾナ州に第3工場を建設することが併せて発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますされた。これにより、TSMCは米国アリゾナ州における世界最先端の半導体製造工場建設のために合計650億ドル以上を投資することになり、これは米国史上最大のグリーンフィールド・プロジェクトへの外国直接投資になるという。また、工場建設に2万人以上、製造に約6,000人、そのほか間接的に数万人の雇用を創出するとされている。

TSMCは、アリゾナ州の第1工場では、4ナノメートル(nm)プロセスの半導体を2025年前半に、第2工場では、3nmプロセスに加え、世界最先端の2nmプロセスのものを2028年に生産開始予定としている。今回発表された第3工場では、2nmまたはそれ以上の最先端プロセスを用いたチップを生産し、2030年末までに生産を開始するという。

CHIPSプラス法に基づく助成発表は、3月20日に発表されたインテル(バイデン米政権、ブラック ジャック)に次いで今回が5件目(注)。今回のPMTでは、TSMCの半導体および工場建設に係る労働力を育成するため、5,000万ドルの専用資金が提案されているほか、約50億ドルの融資が行われる予定とされている。さらに、商務省はTSMCが25%の投資税額控除()を申請する見込みとしている。

ジョー・バイデン大統領は「TSMCの米国への新たなコミットメントとアリゾナ州への投資は、米国製の半導体製造の広範なストーリーを象徴している」との声明を出している。また、ジーナ・レモンド商務長官は声明で、「バイデン大統領のCHIPSプラス法の主要目標の1つは、世界で最も先進的なチップ製造を米国にもたらすことであり、今回の発表とTSMCのアリゾナキャンパスへの投資拡大により、われわれはその目標の達成に取り組んでいる。アリゾナで製造される最先端半導体は、人工知能(AI)や高性能コンピューティングなど、21世紀の世界経済と国家安全保障を定義する技術の基礎となる」と述べた。

アリゾナ州では、インテルやTSMCといった世界的な半導体大手が工場建設を進めるなど、米国内外からの投資が活発に行われており、日系の半導体関連企業の進出も続いている。2022年10月には、ジェトロがアリゾナ州にブラック ジャック ディーラー ルールミッションを派遣した(ブラック ジャック トランプ)。また、2024年2月22~23日には在ロサンゼルス日本総領事館主催でアリゾナ州の視察プログラムが実施され(成長著しい米アリゾナ州を日系企業が視察、無料)、多くの日系企業が参加するなど、引き続きアリゾナ州の動向が注目される。

(注)CHIPSプラス法に基づく資金援助機会通知(NOFO)は、これまでに先端半導体製造施設の新設や拡張などに対する資金援助(第1弾)、製造装置・素材関連施設に対する資金援助(第2弾)、研究開発に対する資金援助(第3弾)が発表されている(米商務省、CHIPSプラス法による第3弾のブラック)。商務省は第1弾に対して630件以上の関心表明書、180件以上の申請書を受理したほか、第2弾に対して160件以上の小規模サプライヤーからの構想企画書を受理したとしている。

(堀永卓弘)

(米国、台湾)

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