1,500バーツ以下の少額輸入貨物からも付加価値税を徴収へ

(タイ)

バンコク発

2024年04月16日

タイ政府は4月3日、1,500バーツ(約6,300円、1バーツ=約4.2円)までの少額輸入貨物について、付加価値税(VAT)を徴収する法案を起草していることを明らかにした。今後、財務省に法案を提案した上で、2024年5月の閣議で審議・承認される予定だ。

チュンラパン・アモーンウィワット財務副大臣の説明によれば、現状、タイの消費者が電子商取引(EC)プラットフォームなどを通じて、外国の売り手から少額商品を直接購入(少額貨物を輸入)する場合はVATが免除されるが、同じ商品をタイ国内の売り手(VAT登録業者)から購入する場合にはVATが課税される。そのため、同じ商品であっても、国内で販売している地場の中小企業から購入するとVAT分だけ高くなるため、価格競争上、不利になっていると説明した。同副大臣は、今回の新たな制度は国内事業者と外国事業者の公平な競争環境を整えつつも、国際貿易円滑化の原則に基づいた措置だと強調している。

法案では、オンライン上で商品を販売する国内外のECプラットフォーム事業者や対象事業者に対し、VAT登録を義務付ける。そして、同事業者が販売する少額商品にかかるVAT(7%)を毎月、歳入局に納付するよう求める。同局は現在、外国事業者が商品をクロスボーダーで販売しているタイ国内外のオンラインECプラットフォーム事業者と協議している。

また、財務省は、税関を通じて少額輸入貨物からVAT徴収する方法も検討しているとのこと。現在、外国から輸入される1個当たり1,500バーツ以下の少額の郵便物・小包については、関税やVATの支払いが免除されている。

(北見創、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ)

ビジネス短信 8304bf43b5c1d995