米プラグアンドプレイ、フロリダ州ネオシティーで拠点設立イベントを開催

(米国)

アトランタ発

2024年04月04日

米国発のアクセラレーター、プラグアンドプレイは3月28日、米国フロリダ州オセオラ郡ネオシティーにおいて、プラグアンドプレイ・ネオシティー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの開設イベントを開催した。

プラグアンドプレイ・ネオシティーは、特に、設計、製造工程、パッケージングおよび相互接続、半導体材料などに焦点を当て、半導体関連スタートアップなどを支援する。同社は、2023年9月にネオシティー拠点設立を正式発表し、12月に半導体プログラムを発表したのち、2024年3月28日に拠点を開設した。同社はネオシティーのほか、2023年4月に拠点を開設したアリゾナ州フェニックスでも半導体関連スタートアップの支援を行っている。

会場では、プラグアンドプレイのサイード・アミディ創業者兼最高経営責任者(CEO)があいさつしたほか、フロリダ州商務省のアレックス・ケリー長官も登壇し、フロリダ州における半導体分野の人材育成のための同州の取り組みなどを説明した。イベントには約300人の登録があり、半導体ファウンドリーの米国スカイウオーター・テクノロジー(本社:ミネソタ州ブルーミントン)やベルギーの半導体研究機関imecの米国法人などネオシティーに拠点を持つ企業や団体のほか、フロリダ州内外の半導体関連企業、大学、政府機関などが参加した。また、半導体関連のスタートアップ10社がブースを設け、事業概要などを説明した。

イベントでは、有識者によるパネルディスカッションやブース出展スタートアップによるピッチが行われた。「半導体エコシステム」と題したパネルディスカッションでは、スカイウオーター・テクノロジーのフロリダ拠点のデール・ミラー副支店長兼統括部長が「ネオシティーは官民パートナーシップの好事例。BRIDG(注1)が中心となり、当社やimec、地元自治体などが連携して、研究開発や人材育成を行っている」と述べ、ネオシティーの今後の発展への期待を示した。

ネオシティーは同州中央部オーランド近郊の研究拠点都市で、スマートセンサー、フォトニクス、光学などの分野を中心に、イノベーションの震源地を目指して建設が進められている。BRIDGを中心に、半導体製造におけるヘテロジニアス・インテグレーション(注2)や先端パッケージングプロセス技術開発に注力しており、フロリダ州政府の助成金だけでなく、2022年の米国経済開発庁(EDA)の補助金制度「ビルド・バック・ベター・リージョナル・チャレンジ」プログラムや2024年の米国国立科学財団(NSF)の助成プログラムといった連邦政府の助成金にも採択されている(米フロリダ州、半導体分野の労働力開発プロブラック米国立科学財団、ブラック ジャック)。

写真 会場の様子(ブラック ジャック ディーラー撮影)

会場の様子(ジェトロ撮影)

写真 有識者によるパネルディスカッション(ブラック ジャック ディーラー撮影)

有識者によるパネルディスカッション(ジェトロ撮影)

(注1)Bridging the Innovation Development Gapの略。複数分野にまたがる技術と能力の間のギャップを埋め、テクノロジーの商業化の促進を目的とする非営利の官民パートナーシップ。

(注2)CPU(中央演算処理装置)、メモリー、センサーといった異種デバイスを一体化してパッケージングすること。

(檀野浩規)

(米国)

ビジネス短信 4215d8df8b4af539