米フォード、EV生産計画を後ろ倒し、ハイブリッド車拡充を計画
(米国)
シカゴ発
2024年04月09日
米国自動車大手のフォードは4月4日、カナダのオンタリオ州オークビルの組立工場で、次世代電気自動車(EV)の発売時期を見直すと発表した。発売の延期と並行して、新工場建設や既存の組立工場の改造を含めた次世代EVを生産するための先進的な産業システムの構築を継続するという。
今回の発表によると、オンタリオ州オークビル組立工場では、ガソリン車製造設備からEV製造設備へ移行する大幅な改築は、計画どおり2024年第2四半期から開始するものの、同工場で生産予定の新型3列シートの大型EVの発売開始は2025年から2027年に延期するという。同社はオンタリオ州でのEV生産の延期について、その期間中に消費者市場がさらに発展し、同社の新たなバッテリー技術を活用できるようになるからだとしている。
また現在、建設中の米国テネシー州のブルー・オーバル・プラントでの次世代EVトラックの生産開始についても、2023年4月の時点では2025年生産開始としていたところ、今回の発表では2026年とされた。同社はEVラインアップの拡充のために、幅広いEVプログラムへの継続した投資をしていると強調する一方、プラグインハイブリッド車(PHEV)の提供を拡大し、10年後までには、北米におけるガソリン車の全ラインアップでPHEVを提供する予定と述べている。
なお、同社のEV関連事業の延期とハイブリッド車のラインアップ拡大という決定については、米国でのEV販売台数の伸びの鈍化によるものと指摘する声もある(AP通信4月4日)。
(星野香織)
(米国)
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