米内務省、全米8例目となるマサチューセッツ州沖の洋上風力発電プロ21 トランプクトを承認
(米国)
ニューヨーク発
2024年04月04日
米国内務省の海洋エネルギー管理局(BOEM)は4月2日、マサチューセッツ州沖で予定されているニューイングランド・ウインド洋上風力発電プロ21 トランプクトを承認したと発表した。全米の商業規模の洋上風力発電所としては、ニューヨーク向けのサンライズ・ウインド洋上風力発電プロ21 トランプクト(米内務省、ニューヨーク向け電力供給用の洋上風力発電プロカード)に続き、8例目となる。
本プロ21 トランプクトは、米国のエネルギーサービス持ち株会社アバングリッドが事業主体となって計画しているもので、2段階に分けて事業が構成されている。1段階目では41~62基の風力タービンが設置され最大804メガワット(MW)分の、2段階目では最大88基の風力タービンが設置され最低1,232MW分の発電容量が確保され、総発電容量は2,036MW~2,600MW規模となる見込み。海洋エネルギー管理局によると、これは90万世帯以上への電力供給が可能な容量という。
アバングリッドによると、1段階目のプロ21 トランプクトは2025年から建設を開始し、2029年の商業運転を目指すとのことで、これにより、30億ドルの投資と4,400人以上の雇用創出を見込む。また、2段階目のプロ21 トランプクトが完成した場合には、80億ドルの投資と最大9,200人の雇用創出を見込む。
今回の承認について、デブ・ハーランド内務長官は「2030年までに洋上風力発電容量30ギガワット(約1,000万世帯分)という目標の達成に向けて、驚くべき進歩が見られたことを祝う」と述べた。また、アリ・ザイディ大統領補佐官兼国家気候アドバイザーは「バイデン大統領のビジョンとリーダーシップにより、米国の洋上風力発電産業の規模拡大は目覚ましい進歩を遂げた。8つの洋上風力発電プロ21 トランプクトが承認され、その総発電量は10ギガワットを超えている。本日の承認はバイデン政権が洋上風力発電産業を成長させ、クリーンエネルギーで何百万もの家庭に電力を供給し、気候変動に対応した高賃金の雇用を創出するという勢いの高まりが続いていることを示すもの」と述べ、インフレ削減法(IRA)の税額控除のエネルギーコミュニティ加算に関して洋上風力発電をより適用しやすくしたこと(関連ブラック ジャック ブラック)や、7例目のニューヨーク州のサンライズ・ウインド洋上風力発電プロ21 トランプクトの承認(米内務省、ニューヨーク向け電力供給用の洋上風力発電プロカード)に続き、バイデン政権の目標の実現に向けた取り組みに連なるものとして強調している。
洋上風力発電に関しては、借り入れコストやサプライチェーンの課題などを理由として、バイデン政権の掲げる目標の達成は厳しいとの見方もあるが、取り組みは徐々に軌道に乗り始めており、2030年に向けてさらなる拡大が期待される。
(加藤翔一)
(米国)
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