出雲でITエンジニアによるハッカソンイベント開催

(島根、ロシア、ウクライナ)

島根発

2024年03月28日

東欧やロシアのIT人材の紹介事業を行うピープルクラウド(People Cloud)(本社:島根県出雲市)は、アプリケーションの開発を競うハッカソンイベント「Hack Izumo」を開催し、2月28日に出雲市内で同イベントの成果報告会を行った。

People Cloudは、2023年に民間のIT企業や出雲市などの共同出資で設立された。ウクライナ戦争を機に世界各国へ流出しているウクライナなどの東欧やロシアの優秀なITエンジニアを出雲に呼び込み、日本のIT企業に紹介するプロジェクト「Hello, Yaponiya」を運営している。今回のハッカソンイベントも「Hello, Yaponiya」の一環として開催され、来日前の6カ月間の日本語のトレーニングを終えた東欧のITエンジニア計9人が3チームに分かれて参加した。

今回のハッカソンのテーマは、a.周遊・滞在型観光に向けた利便性の向上、b.日本語指導が必要な児童・生徒への支援(注1)、c.外国人住民の多言語対応、という出雲市が抱える3つの社会課題。3チームは、これらの社会課題を解決するアプリケーションをノーコードツール(注2)のAdaloを活用して開発することに挑んだ。成果報告会では、島根県内外から参加した17社/団体(うち島根県内から9社/団体)のIT企業関係者などの前で、日本語での自己紹介も交えながら、自らが開発したアプリケーションを紹介した。

写真 成果報告会の様子(People Cloud提供)

成果報告会の様子(People Cloud提供)

同イベントの審査員は、「Adaloの長所を生かしつつ、自らが得意とするツールをうまく組み合わせながら開発を行っている点にエンジニアとしての能力の高さを感じた。また、開発を行うにあたり、実際に出雲市役所でヒアリングを行うなど、課題に取り組む姿勢も素晴らしい」と講評を述べた。

今回のハッカソンイベントに際し、はじめて出雲を訪れたという参加者の東欧ITエンジニアの1人は「出雲は物価の安さに対し、インフラが発達している点が魅力だ。自然と市街地のバランスも良く、気候も自分にあっている」と述べ、出雲に住み、働くことに意欲を見せた。

Hello, Yaponiya」では、東欧から年に3回、ITエンジニアを日本に受け入れる予定で、今後も同様の企画を実施していく方針だ。

写真 トランプ ゲーム ブラック ジャック役所でのヒアリングの様子(People Cloud提供)

出雲市役所でのヒアリングの様子(People Cloud提供)

写真 アプリケーションの開発に取り組む様子(People Cloud提供)

アプリケーションの開発に取り組む様子(People Cloud提供)

(注1)出雲市では、日系ブラジル人を中心に、市内の製造業などで働く外国人労働者の数が多く、その家族など150人以上の児童・生徒が日本語指導を必要としている。

(注2)コーディングが不要で、あらかじめ用意されたフォーマットなどを組み合わせることで、アプリケーションの開発やWebサイトの作成ができるツール。

(薄木裕也)

(島根、ロシア、ウクライナ)

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