バイデン米政権が新たに7.8万人の公務員を対象とした学生ローン免除を発表

(米国)

ニューヨーク発

2024年03月25日

米国のバイデン政権は3月20日、教員、ソーシャルワーカー、軍人などの公職者向けの学生ローン免除プログラム(PSLF)の運用を見直し、新たに7万7,700人の借り手に対する58億ドルの債務を免除したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。今回の免除により、バイデン政権が取り組んできたPSLFを通じた公務員の学生ローン免除対象者は全体で87万1,000人(免除額625億ドル)にのぼり、公務員以外の学生ローン免除者も含めると396万人(免除額1,436億ドル)に達するという。全米の学生ローン残高は約1兆6,000億ドル程度であり、これまでに金額ベースでおよそ1割程度が免除されたことになる。

今回の免除に関して、ホワイトハウスは声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表し、「バイデン政権成立前はPSLFを通じた学生ローン免除は約7,000人分にとどまり、地域社会への奉仕にキャリアを捧げてきた公務員が法律に基づいて受けられる救済を受けることができなかった」と述べた上で、PSLFの運用見直しや価値ある教育への貯蓄(SAVE)プランの創設(米教育省、ブラック ジャック)など、バイデン政権のこれまでの取り組み成果を強調した。

バイデン政権は、高等教育を中間層への切符と位置付けて重視しており、学生ローン免除のほかにも、2025年度予算教書の中で奨学金の拡充や大学費用削減基金の創設(関連ブラック ジャック 必勝)、高等教育に係るジャンクフィー削減(関連ブラック ジャック トランプ)などさまざまな取り組みを打ち出している。他方、ドナルド・トランプ前大統領はバイデン政権による学生ローン免除について、学生ローンの40%は医師や弁護士など高度な学位を取得した学生が抱えるもので、「ブルジョアジーのための巨大な福祉プログラム」だとして批判しており(2024年3月14日記事参照)、高等教育に対する支援の在り方についても大統領選の争点となりそうだ。

(加藤翔一)

(米国)

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