2月のカナダ消費者物価指数、前年同月比2.8%上昇
(カナダ)
トロント発
2024年03月21日
カナダ統計局が3月19日に発表した2月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比で2.8%上昇と、1月の上昇率(2.9%、関連ブラック ジャック web)を0.1ポイント下回った(添付資料表参照)。
統計局は、物価上昇率が1月より低かった要因として、携帯電話料金(26.5%減)とインターネット接続サービス料金(13.2%減)の下落、および店舗売りの食品価格のインフレ緩和(外食を除いた食品価格、2.4%増)を挙げた。携帯電話料金は、新規プランの料金が下がったことおよび一部の携帯電話サービスプランのデータ許容量が増加したことで下落した。店舗売りの食品価格は、2023年2月の価格高騰による基準年効果によって物価上昇は緩和しているが、食料品価格は依然として高止まりしており、2021年2月から2024年2月にかけて、店舗売りの食品価格は21.6%上昇している。
その他の主な動きとして、前月比では5カ月連続で下落していたガソリン価格は、一部の産油国が自主減産を延長するという予測の影響を受け、前年同月比0.8%上昇した。
発表を受けて同日、ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)傘下のRBCエコノミクスのエコノミスト、クレア・ファン氏は「依然として、新型コロナウイルス禍以前よりもやや広範囲な物価上昇圧力を示しており、まだ改善の余地があることを示唆している。全体として軟調な経済が続くカナダでは、今後数カ月間、インフレ圧力が一段と鈍化し、中銀が2024年半ばごろから利下げを開始すると予想している」とコメントした(RBC経済アップデート3月19日)。
中銀の次回の政策金利と経済見通しを示す金融政策報告書の発表は4月10日に予定されている。
(斎藤健史)
(カナダ)
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