2023年の失業率、前年より悪化
(モロッコ)
ラバト発
2024年03月14日
モロッコ高等計画委員会(HCP)は2月29日、2023年の失業率を公表した。前年比で11.8%から13.0%に拡大しており、都市部では15.8%から16.8%、地方では5.2%から6.3%へそれぞれ拡大した。失業者数は2022年の144万2,000人から2023年は13万8,000人増の合計158万人となり、都市部で9万8,000人、地方では4万人が職を失ったとしている。
年齢別の失業率では、15~24歳が35.8%(前年比3.1ポイント増)、25~34歳が20.6%(前年比1.4ポイント増)、35~44歳が7.4%(前年比1.0ポイント増)、45歳以上が3.7%(前年比0.4ポイント増)と、若年層の失業率の高さと前年比増が目立った。特に15~24歳では、都市部が前年比1.6ポイント増だったのに対し、地方では同4.1ポイント増と、地方の若年層の失業率の増加が見て取れる。その他のセグメントでも、大学など高等教育修了者は前年比1.1ポイント増の19.7%となり、高学歴者でも失業率は増加している。男女別では、男性が前年比1.2ポイント増の11.5%、女性が前年比1.1ポイント増の18.3%で、女性の失業率が高くなっている。
そのほかに発表された統計結果では、雇用率は2022年の39.1%から2023年は38.0%に低下した。内訳を見ると、都市部では35.3%から34.8%に、地方では46.5%から44.3%へいずれも低下しており、雇用環境が悪化していることが浮き彫りになった。
(本田雅英)
(モロッコ)
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