経済繁栄のための米州パートナーシップ(APEP)、金融担当高官会合を開催

(米国、バルバドス、カナダ、チリ、コロンビア、コスタリカ、ドミニカ共和国、エクアドル、メキシコ、パナマ、ペルー、ウルグアイ)

ニューヨーク発

2024年03月12日

米国財務省は3月8日、経済繁栄のための米州パートナーシップ(APEP)の金融担当高官会合を主催したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。会合は、ドミニカ共和国で開催中の米州開発銀行(IDB)年次総会に合わせ開催された。米国のアレクシア・ラトルチュ財務次官補(国際貿易・開発担当)およびクリス・ドッド大統領特別顧問(米州担当)を含むAPEP参加全12カ国の代表のほか、IDBのイラン・ゴールドファイン総裁が参加した。

APEPは、米国を含む米州12カ国が、税関手続きや貿易円滑化などの地域的競争力、サプライチェーンの持続可能性などの強靭(きょうじん)性、労働力開発などの繁栄の共有、民間投資の誘致など包摂的で持続可能な投資を行う経済枠組みで、2023年1月に正式に発足した(2023年1月30日記事参照)。同年11月には初めての首脳級会合が開催され、外交、金融、貿易の3分野(注)で具体的な取り組みを実施すると記した共同宣言を発表した。金融分野では、国際開発金融機関との協力による持続可能なインフラ投資などに取り組むとしていた()。

今回の会合で、米国はIDBの民間投資部門であるIDBインベストの35億ドルの増資や、IDBの2024~2030年の組織戦略を決定したことなど(IDB年次総会開催報告を参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、金融分野における進展を報告した。また、参加国は、米州地域の一体化を促進し、サプライチェーンの安全性を高め、地域全体で質の高い雇用を創出するというサプライチェーン競争力強化の計画について中心的に議論を行った。

今後、金融トラックの閣僚会合は2024年4月、貿易および外交トラックの閣僚会合は同年夏の開催が予定されている(通商専門誌「インサイドUSトレード」3月11日)。

(注)米国側では、金融分野を財務省、外交分野を国務省、貿易分野を通商代表部(USTR)が所管する。

(葛西泰介)

(米国、バルバドス、カナダ、チリ、コロンビア、コスタリカ、ドミニカ共和国、エクアドル、メキシコ、パナマ、ペルー、ウルグアイ)

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