ハイパーブラックジャック
(米国)
ニューヨーク発
2024年03月18日
米国ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事(民主党)は3月14日、同州のサウスフォーク風力発電プロジェクトで12基の洋上風力タービン全てが建設され、電力供給を開始したと発表した。同発電所は、2022年2月から建設が開始されており、130メガワット(MW)規模で最大7万世帯への電力供給が可能だという。ニューヨーク州では初の商業規模の洋上風力発電所となる。
ホークル知事は同発電所の完成に際し、「サウスフォークプロジェクトの着工時、私は全てのニューヨーカーのために、よりクリーンで環境にやさしい未来を築くと約束した。私はその約束を守り、サウスフォーク発電所はロングアイランドの何万もの家庭や企業にエネルギーを届けている。さらに多くのプロジェクトが進行中で、これはニューヨークにおける洋上風力発電の未来の始まりにすぎず、クリーンで強靭(きょうじん)なエネルギー網を構築するため、バイデン政権や地域のリーダーたちと継続的なパートナーシップを築いていきたい」と述べた。
ニューヨーク州は、2030年までに電力の70%を再生可能エネルギーから調達し、2040年までにゼロエミッション電力網を構築し、2050年までに大気汚染を85%削減するという目標を掲げている。洋上風力発電に関しても、2035年までに9,000MWの開発を目指すとしており、今回稼働したサウスフォーク発電所以外にも、5つのプロジェクトが現在進行しているもようだ。しかし、2024年1月には同州で進められていたエンパイア・ウインド2プロジェクトがインフレや高金利などを理由に中止されるなど、洋上風力発電プロジェクトを巡る環境には依然として厳しさも見られ、引き続き動向が注目される。
(加藤翔一)
(米国)
ビジネス短信 b7cb35a1e8832dae