ノルウェー洋上風力事業オークション、JERA系とイケア運営会社の企業連合が落札
(ノルウェー、日本、フィンランド、ベルギー)
ロンドン発
2024年03月22日
ノルウェー政府は3月20日、洋上風力プロジェクトの事業オークションについて、入札結果を発表した。ベルギーの洋上風力発電事業者パークウインドと、家具販売大手イケアの運営会社のオランダのインカ・グループによる共同事業体ベンティルが落札した。パークウインドについては、日本の大手発電事業者JERAが2023年3月に買収を発表している。対象は「ソーリゲ・ノルドショII」の第1期開発で、発電容量は約1.5ギガワット(GW)。同国で洋上風力事業オークションが実施されたのは今回が初めて。
2023年3月に同オークションの実施が発表され、7件の事業者が応募、資格審査を経て5事業者に入札資格が付与されていた。ノルウェー議会は政府の支援の上限を230億ノルウェー・クローネ(約3,220億円、1ノルウェー・クローネ=約14円)と決定している。
政府は、2040年までに30GWの洋上風力発電向け海域を割り当てることを発表している。パークウインドによると、2030年までに最初の発電タービンが稼働する予定で、1.5GWの今回のプロジェクトは、同国の再生可能エネルギー移行を進める上で重要な役割を果たすとしている。
2023年8月にオスロで開催されたノルウェーのエネルギーセクター調査会社モンテル・グループ主催のカンファレンス「Nordic Energy Day 2023」では、ノルウェー」や北欧の洋上風力を含む再生可能エネルギー(再エネ)拡大の可能性について触れられていた。登壇者のフィンランドの電力会社フォータムは「地政学上の混乱期の二酸化炭素(CO2)フリー投資」と題し、北欧の再エネ投資について解説した。電化が北欧のネットゼロ実現に貢献し、風力発電はその原動力となると説明。現在の欧州のエネルギー地政学上の危機から脱する持続可能かつ安価な唯一の方法は、脱炭素化と安定供給に対して大規模に投資することと結論付けた。
また、モンテル・グループの別のセミナーでは、再エネの進展に応じて、北欧でも電力の需要と供給を一致させるフレキシビリティーの重要性が急速に高まっており、安定供給に向けて市場の理解と適切なソリューションの開発、利用が重要との説明があった。
関西電力は浮体基礎技術の開発会社に出資
関西電力は3月21日、洋上風力向け浮体基礎技術開発を行うノルウェーのオドフェル・オーシャンウインドに出資することを発表。同社は2023年12月に、オドフェルなどが手掛けるゴリアテウインド浮体式洋上風力発電実証事業への参加も発表している。また、オドフェルには商船三井も2023年10月に出資を発表している(日・ブラック ジャック ブラック)。
(菅野真)
(ノルウェー、日本、フィンランド、ベルギー)
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