中国ラオス鉄道、小口荷物輸送を開始

(ラオス)

ビエンチャン発

2024年03月12日

中国ラオス鉄道のラオス区間において3月1日、旅客用車両を活用した小口荷物の配送サービスが正式に開始された。これに先立ち、2月20日から試験的に配送が行われていた。小口配送に使用されるのは、ラオス区間にある10駅全て(注1)に停車する普通列車(K11/K12)(注2)。これまで、ビエンチャンから山岳地域であるラオス北部への配送には、トラックで2~3日を要し、特に雨季には道路の破損などが進むため、より多くの時間がかかっていた。鉄道を活用することで、1日で主要都市間の配送が可能になるという。鉄道運行会社のラオス中国鉄路(LCRC)は、ラオス国内の電子商取引(EC)の発展にも寄与するとしている。

同サービスは、LCRCが、ラオス国内で500拠点の配送ネットワークを持つフンアルン・ロジスティックスと連携して実施している。鉄道での輸送区間においては、小口荷物を小型プラスチックコンテナに取りまとめて輸送が行われる。鉄道駅からのトラックでの集荷・配送はフンアルン・ロジスティックスが担う。LCRCは今後、他の小口配送業者とも連携を進めるとしている。

なお、中国ラオス鉄道では現在、旅客用として高速列車が1日6往復(うち1往復は中国~ラオス間の国際列車)、普通列車が1日1往復運行している。また、中国とラオスを結ぶ国際貨物用列車は、開通当初は1日平均2往復だったが、現在は平均20往復に増加している。

写真 ビエンチャン駅の様子(ジェトロ撮影)

ビエンチャン駅の様子(ジェトロ撮影)

(注1)10駅は、ビエンチャン駅、ポンホン駅、バンビエン駅、カシー駅、ルアンパバン駅、ムアンンガー駅、ムアンサイ駅、ナモー駅、ナトゥイ駅、ボーテン駅。

(注2)K12普通列車は毎日、午前9時10分にビエンチャン駅を出発し、同日午後2時40分にボーテンに到着。K11普通列車は、ボーテン駅を午後3時40分に出発し午後8時38分にビエンチャン駅に到着。

(山田健一郎)

(ラオス)

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