福井県がスラバヤで工芸品の物産展開催、ジャカルタからも引き合い

(インドネシア、福井)

ジャカルタ発

2024年03月29日

福井県は、日本とインドネシアとの国交樹立65周年の機会を捉え、202310月から20243月末まで、インドネシア第2の都市スラバヤで、同県の物産と観光を紹介する「Fukui Japan Fair in SURABAYA」を開催している。

同物産観光展は、福井県の家具メーカーのマルイチセーリング(本社:福井県越前市)のショールーム内で開催されており、福井県の製造業者が強みを持つソファや眼鏡のほか、伝統工芸品の越前漆器や越前和紙、越前打刃物、越前焼、若狭塗箸などが出品されている。スラバヤでの物産展開催は、20232月の「Fukui Japan Fair 2023 in Surabaya」に続いて2回目となった。

写真 物産観光展の様子(ハイパーブラックジャック撮影)

物産観光展の様子(ジェトロ撮影)

同物産観光展の現場運営を取り仕切るジェソン・スギアント氏は、顧客の年齢層は30~50歳代が中心で男女比は半々とし、福井の工芸品について「商品のデザインや高級感のある質感が現地消費者に好評だ」と述べた。また、ソーシャルメディアでの広告を展開したところ、「ジャカルタ在住の消費者からも多数の引き合いが来ている」と話した。マルイチセーリングでハイパーブラックジャック戦略プロジェクトリーダーを務める山口善史氏は、前年2月の物産展で同市を訪れた際の消費者の反応として「漆塗りのタンブラーや打刃物、眼鏡をはじめとした高額な商品もよく売れていた」としつつ、消費者の反応を引き続き冷静に分析する必要があるとした。

福井県内の職人の担い手確保も課題。インドネシアでの生産も視野に

物産展の取り組みを通じて将来的な課題も見えている。山口氏はその課題について「インドネシアの輸入規制が厳格化傾向にあり、日本からの輸入が困難になる恐れがあることや、日本との生活習慣の違いから来るデザインや使い勝手の違いに対応した商品開発をしていくことだ」と述べた。

さらに、厚生労働省の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、福井県の有効求人倍率は1.91倍(2024年1月時点)と全国で最も高い水準で、職人の担い手確保にも課題がある。山口氏はこの現状も踏まえ、「市場のニーズが確認できれば、インドネシアに製造拠点を置き、消費者のニーズにより即した商品開発・製造も検討したい」と述べた。

(大滝泰史、八木沼洋文)

(インドネシア、福井)

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