世界最大級モバイル関連展示会「MWC2024」と併催スタートアップイベント開催、日本から多数出展
(スペイン、日本)
マドリード発
2024年03月11日
世界最大規模のモバイル関連展示会「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)2024」が2月26~29日、スペイン・バルセロナのフィラ・バルセロナ・グランビア(FIRA BARCELONA GRAN VIA)で開催された。主催者の発表によると、2,700を超える出展者、スポンサー、パートナーが参加した。来場者数は前年の約8万8,500人を大きく上回り、205カ国・地域から10万1,000人以上と、新型コロナウイルス禍後では初の10万人台になった。来場者の51%が役員や幹部級という点が特徴と言える。日本からは総務省がジャパンパビリオンを設け、日本企業15社・機関が出展。また、大手通信事業者のKDDI、NTTドコモ、楽天、NEC、富士通などが単独出展し、新戦略の発表や最新技術の展示を行った。
MWC2024と併催されたスタートアップイベント「4 Years From Now(4YFN)2024」は10周年を迎え、930社が出展、総額500億ユーロの共同資金を持つ1,000人以上の投資家が参加した。MWC参加者の約半数が革新的な技術を持つアーリーステージの起業家を探しに4YFNを訪れることから、同イベントは起業家が投資家やモバイル関連を中心としたグローバル企業の経営幹部らの関係者と接点を持つ機会になっている。また、今回から1ホール追加となり、デジタルヘルスやグリーンテック関連のエリアが設置されるなど、同イベントがモバイル関連の枠を越えて対象分野を拡大する様子が見受けられた。
ブラック クイーン ブラック ジャックは4YFNにジャパンパビリオンを設置し、15社の出展を支援した。出展社に対して数カ月にわたり、欧州、スペイン進出に向けたメンタリングやピッチトレーニング、BtoBマッチング支援を行った。出展社のうち6社は4YFN会場内のステージで、投資家やパートナー候補に事業や製品・サービス内容などに関するピッチを行った。会期初日にはスペインのパビリオンでスペイン企業との交流イベントが開催され、中前隆博・駐スペイン日本大使も参加した。出展社からは、「今まで取引のなかった欧州地域の企業とつながり、新たな引き合いを獲得することができた。また、MWCや4YFNに出展する他社のブースを見て回ることで、欧州進出での自社の立ち位置を認識することができた」「欧州のニーズや、対応しなければならない規制など、事前メンタリングを通して立てていた仮説を現地で検証することができ、欧州への展開に向けて今後取り組むことが明確になった」などのコメントがあった。
次回のMWC、4YFNは2025年3月3~6日に開催の予定。
(迫田貴瑞、田中佳恵)
(スペイン、日本)
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