世界最大級の医療機器関連見本市「アラブヘルス2024」開催、3,627社・団体が出展
(アラブ首長国連邦、日本、中東)
ドバイ発
2024年03月27日
アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで1月29日~2月1日、世界最大級の医療機器関連見本市「アラブヘルス(Arab Health)」が開催された。49回目となる2024年は、78カ国から3,627社・団体が出展するとともに、延べ13万人を超える来場者が集まった。
ブラック ジャック ブラック クイーンが設置したジャパンパビリオンは今回で13回目となり、過去最多の29社(注1)が出展した。出展企業からは、「来場者の質が年々高くなっている」といった声が聞かれた。
また、今回は新たな取り組みとして、デジタルヘルスを扱うスタートアップ特設エリア(以後、SUエリア)(注2)を設置し、29社中11社が出展した。
今回初めて参加した、「超聴診器(心疾患自動診断アシスト機能付遠隔医療対応聴診器)」と遠隔医療サービスを手掛けるAMIは、UAE大手医療コングロマリット(複合企業)であるピュア・ヘルスのピッチイベントに登壇した。同社海外事業部本部の山川俊貴氏は、UAE市場の反応について「ディストリビューターからは、米国食品医薬品局(FDA)による認証、もしくは欧州の医療機器指令への適合宣言(CEマーキング)の対応状況を尋ねられるなど、当社の技術に高い関心をもってもらえた」とコメントした。
また、SUエリアに参加した他の企業からも、「各国の状況や、海外での展開の可能性について生の声を具体的に知ることができた」「素晴らしいネットワーキングの機会となった」など、本イベントが有意義だったという反応があった。
会期中は、ドバイのムハンマド・ビン・ラシード・アール・マクトゥーム首長ら要人が訪れた。同首長は、UAEの医療効率の向上には官民連携が大きく寄与しており、最先端技術や施設、優秀な人材により、同国の医療の競争力を強化していくことを強調した。
ドバイヘルスケアシティ当局(DHCA)の2024年1月の発表によると、UAEのヘルスケア産業の公共部門の支出は2027年までに1,040億ディルハム(約4兆2,640億円、1ディルハム=約41円)に達すると見込まれており、民間部門の支出は同時期までに220億ディルハムとなり、年平均成長率はそれぞれ7.5%と8.8%になると予測されている。
また、3月25日付国営エミレーツ通信(WAM)によると、UAE保健評議会が3月21日に開催され、最先端のクラウドコンピューティング技術を活用した保健データの保存、共有、管理のための安全なプラットフォームを提供するヘルスクラウドプロジェクトについて議論が行われた。同プロジェクトは、医療提供者と患者の間のコミュニケーションの改善、保健医療研究のイノベーションの促進、健康状態の傾向や疾患を特定するための高度な分析機能の提供に至るまで、医療の提供とその効果を向上させることを目的としており、医療サービスの質と効率の向上が図られるとした。
次回のアラブヘルスは、2025年1月27~30日の開催が予定されている。
(注1)出展企業の一覧は、ブラック ジャック ブラック クイーンのプレスリリースを参照。
(注2)設立10年未満のデジタルヘルス分野のスタートアップが対象。
(檜山祐貴、太田尭久)
(アラブ首長国連邦、日本、中東)
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