ウズベキスタン、ロシアへの天然ガス依存強まる
(ウズベキスタン、ロシア)
タシケント発
2024年03月01日
2月19日に公開されたウズベキスタン政府の2024年第1四半期(1~3月)投資事業リスト(2月15日付閣僚会議決定第92号)によると、北方からの天然ガスパイプライン幹線システムの近代化事業第1段階として、1日当たり最大3,200万立方メートルのガス受け入れ能力の増強が計画されている。
2024~2030年の実施を想定した同事業の第1段階は、5億ドルの予算投入が予定され、うち90%以上の4億7,000万ドルを外国からの借り入れ(注1)で賄う。
ウズベキスタンは2023年10月7日から史上初めてロシアから日量900万立方メートル、年間28億立方メートルの天然ガス輸入を開始した()。12月にはロシアによる天然ガス供給量が当初の契約量を上回る2倍となり、ロシアからウズベキスタンにガスを供給する「中央アジア~中央」ガスパイプラインの負荷上限に達したと報じられている(「Gazeta.uz」2023年12月27日)。
ウズベキスタンでは過去6年間で国内の天然ガス生産量が平均3.1%減少し、2022年は前年比4%減、2023年は同9.6%減を記録するなど、減少が加速する傾向にある。加えて、ウズベキスタンは外国パートナーとの生産分与契約や投資契約に基づく義務の一環として、主に中国に対しガス生産量の一部を輸出し続けなければならない状況にある。
ロシアのエネルギー・金融研究所の専門家セルゲイ・コンドラチエフ氏は、ウズベキスタンとカザフスタンの現在のガス燃料不足量を年間10億〜15億立方メートルと見積もり、今後数年間でウズベキスタンだけで年間70億〜100億立方メートルに増加すると予測している。
ロシア国営ガス最大手ガスプロムのアレクセイ・ミレル会長は2023年末、ウズベキスタンとの間で2024年半ばに2025年11月1日(注2)から15年間の新たなガス供給契約を締結することで合意に達したと述べた。同氏によると、ウズベキスタン、カザフスタン、キルギスは「中央アジア~中央」ガスパイプラインを通じたロシアのガス供給のさらなる拡大について協議している。
(注1)具体的な借入先については明記されていない。
(注2)現行の両国間の2年契約満了に合わせて開始時期が設定された。
(ウラジミル・スタノフォフ)
(ウズベキスタン、ロシア)
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